流血映像の「ながら見」「繰り返し視聴」に気をつけて。トランプ氏の銃撃事件、心を守るために知っておきたいこと

連日ニュースに触れることで、深刻で長期的な心理的影響を与えることも。子どもに対しては「視聴時間を制限する」などの方法があります。

アメリカ・ペンシルベニア州で7月13日に開かれていたトランプ前大統領の選挙集会で、複数回の発砲音がし、トランプ氏は演説を中断して避難しました。

耳付近から流血しましたが、広報担当はトランプ氏は「問題ない」としています。

SNSなどでは、発砲音が鳴る瞬間や、流血したトランプ氏の映像・写真などが拡散されていますが、こうした惨事報道に連日触れることは、人々に、深刻で長期的な心理的影響を与えることが専門家によって指摘されています。影響を受けるのは、成人だけではなく、子どもも同様です。

一般社団法人「日本トラウマティック・ストレス学会」が公開する資料「惨事報道の視聴とメンタルヘルス」では、心を守るために注意したい点を、成人向け・子ども向けにわかりやすく紹介しています。

▼成人・子どもが注意すること

・惨事報道の刺激は必要最小限にする

惨事報道に接した量と心理的反応が比例することが知られています

・同じ内容の惨事報道を繰り返し見ないようにする

繰り返しの視聴は、ストレス反応を高めることが知られています

・衝撃的な映像の視聴を避ける

衝撃的な映像は、ストレス反応を高めることが知られています。

・「ながら見」は控える

ながら見で不用意に惨事報道にさらされて、過剰な刺激となるリスクがあります

・トラウマの体験者や精神疾患を抱える人は、惨事報道によって不調になりやすい

惨事報道を見ることで、過去のトラウマ体験への反応や現在の苦しみが高まることがあります

▼子どもに対して注意すること

・子どもの年齢と発達を考えて、惨事報道との距離の取り方を決める

子どもは、成人と比べて、安全・安心への不安がより高くなります

・子どもの惨事報道の視聴時間を親が制限する

頻回の視聴は、ストレス症状を高めることが知られています

・子どもが、トラウマティックな内容に不用意に曝されないようにする

子どもの年齢と発達に応じて、大人が管理し、衝撃的な内容が子どもの目に触れないようにしましょう

「日本トラウマティック・ストレス学会」によると、2001年のアメリカ同時多発テロ、2011年のノルウェー連続テロ事件、2013年のボストンマラソン爆破事件などの人為災害では、被害者・子ども・一般人を対象とした研究結果が多数報告されており、特に、トラウマ(心的外傷)体験者や精神的な悩みを持つ者においては、その影響がより強くなることがわかっているといいます。

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