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夏になり気温が高くなると、熱がこもった車内に長時間いて、具合が悪くなってしまった、という経験がある人もいるかもしれません。
車内の温度をできるだけ早く下げるには、どうしたら良いのでしょうか。
日本自動車連盟(JAF)が実験を行い、検証結果をホームページで公表しています。
5パターンを比較
JAFは2016年6月、埼玉県戸田市内の駐車場で、高温になった車内温度を早く下げるにはどうしたら良いのかを検証しました。
検証方法は、同じ車を5台用意し、車内温度 が55℃になったタイミングで5人のモニターがそれぞれ違う方法で温度低下を試みる、というものでした。
5つの方法は以下の通りです。
①ドア開閉
エアコンは使わず、助手席の窓だけを開け、運転席のドアを5回開閉して車内の熱気を逃す
②冷却スプレー
エアコンは使わず、冷却スプレーをシートに10秒ほど吹きかけ、3分間の温度変化を調べる
③エアコン「外気導入」
窓は開けず、車のエアコン(オート)を外気導入・温度はLo(最低)に設定し、10分間の温度変化を調べる
④エアコン「内気循環」
窓は開けず、車のエアコン(オート)を内気循環・温度はLoに設定し、10分間の温度変化を測る
⑤エアコン+走行
窓を全開にし、 車のエアコン(オート)を外気導入・温度はLoに設定して走行する。2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環にして3分間走行し、温度変化を測定する
計測器の温度センサーはいずれも、運転席と助手席の中央、乗員の顔の高さに設置しました。
検証結果は?
5つの方法を比べた実験から、どのような結果が出たのでしょうか。
エアコンを使わない「ドア開閉」はドア開閉後に47.5℃、「冷却スプレー」は3分後に50.1℃までそれぞれ下がりました。効果は限定的だったことが分かります。
一方、エアコンを使用した3パターンは、「エアコン(内気循環)」で10分後に27.5℃、「エアコン(外気導入)」は10分後に29.5℃、「エアコン+走行」で5分後に28.0℃まで低下する結果に。いずれも、当初の55℃から半分近く温度が下がりました。
JAFの実験では、「エアコン+走行」が最も早く車内温度を下げることができることが判明しました。
JAFはまとめとして、窓を全開にした上で、エアコンを外気導入して走り出し、車内の熱気を出したら窓を閉め、エアコンを内気循環にして冷やすことが「最も効率的な方法」と説明しています。
さらに、この「エアコン+走行」は、短時間で温度を大幅に下げられることから、燃料の消費や排ガスも抑えられ、環境面でもメリットが多いとしています。
一方で、車内温度が下がっても、ハンドルやダッシュボードなどは依然として熱を帯びていることがあるので注意が必要とJAFは呼びかけています。
チャイルドシートの表面やベルトの金具で子どもがやけどする事例もあるといい、子どもを乗せる時には気をつけるように注意喚起しています。
夏の熱い日に車で移動することがある人は、JAFの検証結果を参考に、「エアコン+走行」を試してみてはいかがでしょうか。