熱中症警戒アラートが連日発表され、熱帯夜が続いている。
ダイキンは、7月5日に発表した調査結果の中で「熱帯夜に役立つ上手なエアコンの使い方のヒント」を紹介している。
「調査結果はあくまでもひとつの目安です。住環境や気温などによって結果は変わります」と断った上で①快適な空間づくりにおける湿度の重要性②朝まで「つけっぱなし運転」の推奨ーについて説明している。
【実験画像】「湿度が20%変われば体感温度は約4℃変わる」
温度だけでなく湿度が重要
ダイキンは、快適な空間づくりには、温度だけでなく湿度も重要だと強調。「湿度が20%変われば体感温度は約4℃変わるといわれています」と説明している。
ダイキンが実施したサーモグラフィによる可視化検証試験で、湿度が体表面の皮膚温度に影響を与えることが証明されたという。
「温度28℃」「湿度85%」の環境で皮膚温度の上昇を確認した後、温度は変えずに「湿度60%」にすると、被験者12人中10人の手や顔の皮膚温度が顕著に低下する結果となったと紹介している。
こうした結果などを踏まえて、室温が高く湿度も気になる場合に「エアコンを使って温度や湿度をコントロールすることが大切です」と呼びかけている。
朝まで「つけっぱなし」がおすすめ
ダイキンは、就寝中のエアコンの使用条件によって、熱中症リスクの評価に用いられる「暑さ指数(WBGT)」がどう変化するかを計測。
神奈川県横浜市にある一般の住宅で、朝までつけっぱなしにする「つけっぱなし運転」と、タイマーで就寝3時間後にエアコンを切る「切タイマー運転」の2パターンを試した。
その結果、「つけっぱなし運転」ではWBGTに大きな上昇は見られなかったのに対して、「切タイマー運転」では、エアコン停止後にWBGTが徐々に高まったという。
この結果を踏まえて、ダイキンは「就寝中にエアコンがオフになると、明け方にはWBGTが熱中症への警戒が必要とされる値まで達する可能性があります」と注意喚起。気温や湿度の高い日は、適切な温度設定で、朝まで「つけっぱなし運転」を推奨している。
熱帯夜の睡眠・起床時に7割「体の不調」
ダイキンはまた、調査結果の中で、約7割の人が熱帯夜の睡眠・起床時に体の不調を感じたことがあると発表している。
調査は、全国の20代〜60代の530人(調査期間6月6日〜6月8日)を対象に実施。熱中症の初期に見られる9症状を挙げて、熱帯夜の睡眠・起床時にこうした症状を感じたことがあるかを尋ねた。
半数近くの45.7%が「倦怠感」を感じたほか、「異常に汗が出る」(18.3%)、「体温が高い」(16.8%)、「頭痛」(15.5%)、顔のほてり(11.3%)といった結果になった。「特に症状がない」と答えた人は30.8%にとどまった。
帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター長・三宅康史先生のコメントとして、「熱帯夜、体調に違和感なく入眠したにもかかわらず睡眠時や起床時に体の不調を感じた場合、軽い熱中症の可能性も疑ってみてほしい」と注意を促している。