新NISA制度が始まって半年が過ぎました。非課税で運用できる年間の投資額が拡大されたことをきっかけに投資を始めたという人も少なくありません。
⽇本最⼤規模の⾦融オンラインスクール「グローバルファイナンシャルスクール」は、投資を学んでいる全国の10〜70代を対象に「新NISA利用実態調査」を実施。同スクールの無料特別講座を受けたことがある1218人の回答をまとめた結果を6月28日に発表した。
9割超がNISA口座を開設
「NISA口座を開設していますか」と尋ねたところ、91%が「NISA口座を開設している」と回答した。「今後開設する予定」と回答した人も5%いた。
つみたて投資枠、成長投資枠どちらを利用している?
NISA口座を開設していると答えた1108人に「つみたて投資枠」と「成長投資枠」のどちらを利用しているか聞いたところ、59.2%が「両方を併用」と答えた。「つみたて投資枠のみ」が25.3%、「成長投資枠のみ」は8.6%だった。
グローバルファイナンシャルスクールはこの結果について、「旧NISA制度ではつみたてNISAと一般NISAのどちらかを選ばなければいけなかったが、新NISAでは2つを併用することができるため、多くの人が両方の枠に投資している」と説明している。
毎月投資している積立金額は?
毎月の積立金額で最も多かったのは「10万円」で、回答者の5人に1人にあたる20.6%に上った。続いて多かった順に「5万~10万円未満」(16.9%)、「3万~4万円未満」(15.0%)、「1万〜2万円未満」(14.3%)と続いた。
グローバルファイナンシャルスクールはこの結果に対し、「毎月の積立金額が10万円ということは、つみたて投資枠の年間120万円の上限を残すことなく使うということで、非課税枠が拡充された恩恵をフル活用している人が多いということが考えられる」また、「回答者を世帯年収別で見ると、月10万円積み立てている人の70%以上が700万円以上の世帯年収であり、年収が平均より高い世帯または共働きなどで家計に余裕のある世帯が多いと推察される」としている。
どんな商品に投資している?
新NISAで投資している商品を複数回答で尋ねたところ、以下のような結果となった。
主な投資商品には株式、投資信託、債券(国債や地方債など)があり、リスクとリターンの関係をみると、一般的に株式→投資信託→債券の順にリスクが低くなり、リターンも低くなりがちだ。
1位 投資信託(米国株)63.9%
2位 投資信託(全世界株)50.8%
3位 個別株(日本株)32.2%
4位 投資信託(日本株)24.3%
5位 投資信託(新興国株)18.4%
6位 個別株(米国株) 10.1%
7位 投資信託(先進国株) 9.9%
8位 投資信託(バランス型) 8.6%
9位 ETF(米国株) 5.5%
10位 ETF(日本株) 2.6%
アップルやアマゾンなどの銘柄を含むアメリカを代表する株式指数「S&P500」や全世界株式に連動した「オールカントリー」を選ぶ人が多いようだ。
日本証券業協会は資産運用について「さまざまな要因で価格が大きく変動する不確実な面(リスク) が少なくない」とし、リスクを見越した運用方法として無理のないお金を使って始めることと資産・地域・時間の観点を踏まえた分散投資を挙げている。