車で横断歩道などに近づいた時、人や自転車がいないことが明らかな場合を除き、ドライバーはその手前で停止できるスピードで進まなければならない。
これは、道路交通法(横断歩道等における歩行者等の優先)で定められている一文だ。しかし、歩行者が横断歩道を渡ろうとしているにもかかわらず、直進する車を見かけたことはないだろうか。
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静岡県警は、横断歩道付近で起きた“緊迫の映像”を公式YouTubeに公開しており、ドライバーに注意を呼びかけている。
横断歩道前で減速しない⇨こうなる
警察庁によると、横断歩道では歩行者が犠牲となる交通事故が後を絶たない。
2019〜23年、自動車と歩行者が衝突した交通死亡事故(全4435件)で、歩行者が横断中だったケースは3079件あった。そのうち、約35%にあたる1086件が横断歩道上での事故だった。
横断歩道は歩行者が優先で、車は横断歩道手前で減速や停止義務がある。違反すると、「3月以下の懲役または5万円以下の罰金」などとなる。
しかし、このルールを守れていない車も多い。静岡県警は4月10日、横断歩道を走って横切ろうとする子どもが車と衝突しそうになった瞬間をとらえたドラレコ映像を公開した。
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映像を見ると、車は片側1車線の直線道路を進んでいる。しばらくして横断歩道が見えてくるが、ほとんど減速せずに直進した。
すると、左側から急に子どもが飛び出してきた。ドライバーは右にハンドルを切り、間一髪で衝突をかわしたが、一歩間違えれば大事故につながっていた。
本来はこのような事態に備え、横断歩道の手前で停止できるスピードで走行していなければならなかった。
23年の「横断歩行者等妨害等違反」の取り締まり件数は約31万件。19年の約1.4倍に上っている。
静岡県警は、「横断歩道では、歩行者が絶対優先!」と注意を呼びかけている。