コーヒー、紅茶、せん茶、エナジードリンク……。このような飲料には「カフェイン」が含まれている。
もちろん日常摂取の範囲であれば問題ないが、過剰に摂取してしまうと体に異変が起きる可能性もある。
成人、妊婦、子ども。私たちは1日にどのくらいのカフェインを摂取してもいいのだろうか。
許容しうる最大摂取量は?
消費者庁によると、カフェインの過剰摂取に特に注意が必要な人は、子ども、妊婦、授乳中の人、カフェインに敏感な人。
過剰摂取することで、めまい、心拍数の増加(動悸)、興奮、不安、ふるえ、不眠症、下痢、吐き気などの症状が現れることがある。
海外では、多量のカフェインを含む清涼飲料水を過剰に摂取したことで死亡した事例もあるといい、消費者は飲料に含まれるカフェイン量を把握し、適切な量を摂取することが求められる。
なお、代表的な飲料に含まれるカフェイン量(100ミリリットル中)は次の通りだ。
①エナジードリンクなどの清涼飲料水:32〜300ミリグラム
②コーヒー(浸出液):60ミリグラム
③紅茶(同):30ミリグラム
④せん茶(同):20ミリグラム
これを見ると、商品ごとにばらつきはあるが、エナジードリンクなどの清涼飲料水には最大300ミリグラムのカフェインが入っていることがある。
この場合、コーヒーの5倍、紅茶の10倍に相当するが、カナダ保険省が公表している「年代別の許容しうる最大摂取量(1日あたり)」は以下のようになっている。
①成人:400ミリグラム
②妊婦、授乳中の人:300ミリグラム
③10〜12歳:85ミリグラム
④7〜9歳:62.5ミリグラム
⑤4〜6歳:45ミリグラム
つまり、100ミリリットル中に300ミリグラムのカフェインが入ったエナジードリンクを飲むと、妊婦らでは1日の最大摂取量に達してしまうほか、子どもは許容範囲を大きく超えることになる。
最大摂取量を超えたからといって必ずしも健康に悪影響が及ぶものではないが、特に妊婦がカフェインを過剰摂取すると、自然流産や出生児低体重の可能性があることを示唆する報告もあるという。
また、最近はエナジードリンクとアルコールを混ぜた酒を飲食店で見かけるが、米国疾病予防管理センター(CDC)は、そのような飲料はカフェインがアルコールによる機能低下を隠すことで飲み過ぎてしまい、アルコールによる健康への悪影響を受けやすくすると指摘している。
さらに、カフェインを含む医薬品についても、用法・用量を超えて服用したり、カフェインを多く含む飲料と併用したりした場合、カフェインの過量服用となって重大な健康被害につながることもあるという。
消費者庁は、「製品に記載されているカフェイン含有量を確認するなどして、多量のカフェインを摂取することは避けましょう」と呼びかけている。