インターネットのプラットフォーム事業などを行うラグザスは7月2日、女性の管理職に関する実態調査の結果を公表した。
調査は20~50代の女性を対象にオンラインで実施。3000人の回答をまとめた。
「管理職に就きたいと思うか」と聞くと、「思わない」が85.7%にのぼった。
「管理職に就きたいと思わない」と回答した人を年代別にみると、50代が89.1%で最多、30代が81.1%で最も少なかった。
なぜ管理職になりたいと思わないのか。聞くと、「管理職に興味がない」が36.2%で最多だった。次いで「責任を増やしたくない」(35.4%)、「精神的なプレッシャーを負いたくない」(34.8%)、「ワークライフバランスを重視したい」(30.2%)と続いた。
一方、「管理職は男性のイメージがある」はわずか5.4%だったことから、役職における性別のイメージを持つ人は少なく、責任やプレッシャーなどが管理職になりたくない要因になっているようだ。
調査では「管理職に興味がない」人が多い背景について、「職務の専門性を高めるジョブ型雇用を導入する日本企業が増えてきたことにより、重圧の掛かる管理職ではなく、『個』の力を磨きたいと考える人が多くなったことが考えられる」と分析している。
もし管理職になるとしたら、どんなことを求めているのか。「責任を避けたい」「プライベートとの両立」「給与」に関する回答が多かった。「管理職は時間も労力もかかるが給与が見合っていないもの」ととらえる傾向がありそうだ。
また、「ない」「思いつかない」「なるつもりはない」など、管理職になることを想定していない回答も多かったという。
年代別に求めることを見てみると、以下のような意見が寄せられていた。
▽20代
・給料/残業のない状況
・部下を守るが、上司にも守ってほしい
・身体的に負担のない環境、相談ができる環境・思いつかない
▽30代
・給与の大幅アップ。あまり変わらないなら管理職になる意味があるのかわからない
・マネジメント研修
・責任をすべて負わなくていいようにしてほしい
・プライベートを犠牲にしないはたらき方
・管理職には絶対にならない
・なりたいと1度も思ったことがないためわからない
▽40代
・家族からの理解
・給与面。また責任の押し付け合いではなく各管理職が自分の役割を認識して仕事をする
・管理職の補佐的立場の社員配置。残業をできるだけしなくてもいい環境の確保
・子どもの都合で休んでも気を遣わないこと
最後に、「環境が整えば管理職になりたいと思うか」と聞くと、76.2%が「思わない」と回答した。キャリアを考える上で、管理職が視野に入っていない人や、魅力的にうつっていない人が多そうだ。
調査では、女性の管理職比率を上げるためには、「労働環境」と「管理職そのもの」のアップデートが必要だと指摘。
労働環境については、調査結果から管理職が「時間と労力が掛かり責任も重いのに給与が見合っていないもの」だととらえられていることがわかるとした上で、「『管理職は残業や休日出勤を厭わない』という考え方を見直し、管理職の労働環境を改善することが、管理職比率の向上に繋がると考えられます」とコメントした。
「管理職そのもの」のアップデートについては、企業体制の変化から「個」のスキルを磨きたいと考える人が多くなっている可能性があることから、「管理職を従来のようなマネジメントだけに特化したポジションではなく、『本人の望む自己成長』に繋がる役割を託すことが管理職への意向を上げるかもしれません」と分析した。