「しばらくoomfに会ってないんだよね。怒ってるのかな...」
この文章の意味が理解できたあなた!おめでとう!
あなたはおそらくネットに詳しく、「oomf」が「one of my friends(友人の1人)」という意味だと知っていたのだろう。
分からなかった人のために説明すると、「oomf」は何年も前から存在していたもが、最近になってZ世代によりネット上で広められた愛情表現のスラングだ。
Dictionary.comによると、「oomf」は2010年からTwitter(現X)で「one of my followers(私のフォロワーの1人)」を意味するハッシュタグとして使われてきたという。交流のある他のSNSユーザーについてネット上で話す時によく使われる言葉だ。
しかし「oomf」の定義は、必ずしも「仲の良い友達」というわけではない。友人を指す他のスラング「bsf(best friend/ベストフレンド)」や「bff(best friend forever/永遠の親友)」は、あなたにとって親しく、大切な人を指す。しかし「oomf」は誰もがなり得る存在であり、それがこの言葉の魅力の1つでもある。密かに噂話をするのに使いやすいのだ。
「oomf」の意味を説明する人気TikTok動画を制作した21歳のコンテント・クリエイター、クロエ・フォレロさんは、こう説明する。
「私は最近、『oomfが32歳の男性とデートしてるんだけど、2人の関係を認めることはできない』って投稿した時に使いました。実際に、友人に面と向かっては伝えられない事を隠れてディスるのに使っています」
フォレロさんは、oomfは口に出して言うよりもネット上で使うことが多いというが、「oomfがムカつく!」のように実生活でも使うという。
エレベーターのような公共の場所でも友人と噂話を続けたいけど、誰のことを話しているのか明らかにしたくない場合「oomf」を使うという。「言いたいことは伝わるから」とフォレロさんは加えた。
フォレロさんがスラング「oomf」との初めて出会ったのはまだ彼女が13歳だった2015年、誰かのInstagramで「oomfに本当にイライラする」という投稿を読んだ時だったという。そして昨年2023年、特にX上で「oomf」が復活したと感じるという。
なぜ若者は「oomf」が好きなのか?言語学者が解説
「oomf」について学ぶには、歳をとりすぎていて場違いだと感じるなら、それは意図的なものだ。
UCLAの言語学教授であるジェシカ・レット氏によると、どの世代も言語を革新するが、その理由は主に2つあると言う。混乱させるためと、革新するためだ。
「若者は、何を話しているのか私たちに知られたくないんです」とレット氏。「私のように歳をとった人々から一線を画すための方法なんです」
「友人の1人(one of my friends)」という表現は「友人が1人しかいないという前提の可能性」を排除する英語の擬似部分構造であり、若者にとってそれが特に重要なメッセージかもしれない、とレット氏は話す。
また、単純に言うのが楽しいということもある。もちろん、誰のことを言っているか分からないよう「友人の1人」と言うこともできるが、「oomf(ウームフと発音)」と堂々と言うこともできる。
レット氏は、「oo(ウー)」は発音する時に唇を丸くつぼめる、心地よい長い母音だと説明。「そして『mf』と言う語尾は、もはや口の中のパーティーのようです。すごく力強く聞こえるんです」と続けた。その構造に独特の楽しさがある。
「oomf」の定義は本質的に不明確なため、この言葉はイライラするほど曖昧なものにも、じれったいほど近い意味を持たせることもできる。「oomf」は、友人であり敵であり、フォロワーである時もあれば仲良しの友達の時もあるのだ。
「友人の葬儀に行ったら絶対、『オーマイガッ。oomfが死んじゃった』って泣き顔の絵文字と共にTwitterに投稿すると思う」とフェレロさんは話す。oomfを書くときはいつも小文字を使うとも説明した。
この言葉の持つ様々な意味を受け入れる、もしくは実際に使ってみるのも良いだろう。少なくとも、また「ダサい」と言われるようになるまでは...。「賞味期限が切れるまで、1〜2年はあると思います」とフェレロさんは推測する。
言語学教授のレットさんは「私とそれ以上の世代の人々への1番のアドバイスは、ただ言葉を受け入れ、それが天才的な言葉であると認めることです」と語る。「若い子たちは、無意識に言語を革新していて、それを成し遂げるクールさを持ち合わせているんです」
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ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。