夫が連続殺人犯だと知らずに結婚した米女性、20年以上前の事件被害者とTikTokでつながる

17歳で結婚し25歳で離婚した元夫が、結婚中にも人を殺していたことを知らされた女性。TikTokで元夫から性暴力を受けた被害者とつながった

ボニー・ルー・ガワーさんは6月、初めてのTikTok投稿で衝撃的な事実を語った。

私は17歳で結婚し、25歳で離婚。再婚して2人の子どもが生まれた後に、元夫が少なくとも3人の少女を殺した連続殺人犯だったことを知りました――。

その後、ガワーさんは元夫が自分と結婚する前や婚姻中にも人を殺していたことを知らされたという。

ガワーさんは「How I Was Married To A Serial Killer(私が連続殺人犯と結婚するまで)」というテーマで、自らの経験をTikTokに投稿し続けている。 

大きな反響を呼んだガワーさん投稿を見た一人が、元夫の被害者で唯一の生存者として知られるカーラ・ロビンソン・チェンバレンさんだ。

現在37歳のチェンバレンさんもまた、15歳の時に誘拐されてから今も続く苦しみをTikTokで発信してきた。

15歳の時に誘拐され、性的暴行を受けたカーラ・ロビンソン・チェンバレンさん
15歳の時に誘拐され、性的暴行を受けたカーラ・ロビンソン・チェンバレンさん
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15歳の時に誘拐されて性的暴行を受ける

チェンバレンさんは15歳だった2002年6月24日、サウスカロライナ州レキシントン郡にある友人宅で植物に水やりをしていた時に、当時38歳だったリチャード・エヴォニッツに銃で脅されて誘拐された。

ワシントン・ポストによると、エヴォニッツはチェンバレンさんを自宅アパートまで連れ帰り、18時間以上にわたって性的暴行を加えた。エヴォニッツは当時2番目の妻と結婚していたが、妻は旅行で不在だったという。

チェンバレンさんはTikTokの投稿で、自分を誘拐した人物が誰かを知るため、家や犯人の詳細を記憶し、犯人が寝ている間に足と手首の拘束を解いて逃げ出したと明かしている。

チェンバレンさんはアパートから逃げた後、助けてもらった人の車で警察に向かい通報。

警察官がチェンバレンさんの説明を元にアパートに駆けつけた時にはエヴォニッツはすでに逃走していたが、6月27日にフロリダ州で警察に追跡された末に拳銃で自殺した。

エヴォニッツは自殺する前に、家族に電話して「思い出せないほど多くの犯罪をした」と告白した。

警察がエヴォニッツのアパートを捜索した結果、それまで未解決だった1996年と1997年の殺人事件との関連が判明した。

1996年9月の事件では16歳のソフィア・シルヴァさん、1997年5月の事件では15歳のクリスティン・リスクさんと12歳のケイティ・リスクさんの姉妹がレイプされ殺害された。

当局は、この3人の他にも被害者がいると考えている。FBIは2008年に凶悪犯逮捕プログラム警報を発令し、1980〜2002年の間にエヴォニッツが関わったと思われる誘拐や性的暴行、殺人を特定するための情報提供を呼びかけた。 

元妻は嘘をつかれていた

ガワーさんは、17歳だった1988年8月にエヴォニッツと結婚したとTikTokで説明している。

当時エヴォニッツは海軍に勤務しており、1996年に離婚した時には、ふたりはシルヴァさんとリスク姉妹と同じスポットシルベニア郡に住んでいた。

エヴォニッツはガワーさんと結婚する前の1987年に、フロリダ州で15歳の少女と幼児の妹に自身の局部をさらして逮捕され、執行猶予付きの判決を言い渡されていた。

エヴォニッツは捜査官に対し、「少女の前で自慰行為をしたくなる問題を抱えており、“衝動”を感じると車で少女を探し回った」と述べたという。

ガワーさんはTikTokで、当時は10代で、元夫から「泥酔状態で全裸でドライブした時に、何人かの女の子に体を見られて逮捕された」と説明され信じたと語った。

TikTokを通してつながったふたり

自らの経験を語り、TikTokでつながったガワーさんとチェンバレンさん。

チェンバレンさんが被害を初めて投稿した2020年の動画は拡散し、勇気や率直さを称賛するコメントが多数が寄せられた。

チェンバレンさんは「(ガワーさんは)何年もの間、私にずっと連絡を取りたいと思っていたそうです」とハフポストUS版の取材に語った。

チェンバレンさんは犯罪被害者の支援を続けており、彼女のストーリーは2021年2023年にドキュメンタリーや映画にもなっている。

チェンバレンさんは、「被害者やサバイバーの複雑さを理解するためには、ガワーさんのような立場の人も含め、あらゆる形で犯罪に関わった人々から話を聞くことが重要だ」とも述べた。

また、TikTokなど公の場に名乗り出る時の重要なアドバイスとして「自分の話をわかち合うのは、傷ではなく傷跡になった時が良い」と語った。

「自分のストーリーを共有する時には、フラッシュバックが起きないような環境を作っておくことが重要です。公の場で自分の話をすると、突拍子もない不用意な質問をされることがあります。十分に癒され、耐えられるだけの強さを備えていなければ、それがトリガー(きっかけ)になってしまうことがあるでしょう」

チェンバレンさんはサポートの重要性を強調しつつも、TikTokはお互いを理解し合える犯罪サバイバーに出会える貴重な場所だと考えている。

チェンバレンさんはTikTokを通してつながった後、ガワーさんから電話番号を教えてもらったという。 

「ただ、まだ電話はかけていないんです。何を話したらいいのかわからなくて……。彼女も何を話したらいいかわからないんじゃないかなと思っています」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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