Mrs. GREEN APPLEのボーカルとギターを担当する大森元貴さんが6月13日、公開停止になった新曲「コロンブス」のミュージックビデオ(MV)についてコメントを発表した。
大森さんは「決して差別的な内容にしたいという意図はなかった」としつつ、配慮不足で意図とは異なることを連想させる作品になってしまったと謝罪している。
【Mrs. GREEN APPLEのMV、何が問題になった?】 Mrs. GREEN APPLE「コロンブス」のMVが物議。「コロンブス」は一体何をした人物なのか、知っておきたい歴史と評価の変遷
コロンブスのMVでは、Mrs. GREEN APPLEのメンバーがコロンブス、ナポレオン、ベートーヴェンに扮し、類人猿のような生き物にピアノや馬の乗り方を教えたり、人力車を引かせたり、敬礼させたりするシーンが含まれていた。
この描写に対し、ソーシャルメディアでは「猿を奴隷のように使い、文化を教えるようなコンテンツだ」「植民地主義や奴隷制を肯定している」などの批判が投稿された。
大森さんは「年代別の歴史上の人物」「類人猿」「ホームパーティー」「楽しげなMV」というキーワードをベースにこのMVの構想を膨らませたという。
コメントの中で「ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました」と述べている。
また、意図とは異なる伝わり方をするかもしれないと考えて、スタッフと確認し合い、特殊メイクや衣装、演じ方を監修をしたつもりだったとしたうえで、「そもそもの題材として不快な思いをさせてしまった」と説明している。
「決して差別的な内容にしたい、悲惨な歴史を肯定するものにしたいという意図はありませんでしたが、上記のキーワードが意図と異なる形で線で繋がった時に何を連想させるのか、あらゆる可能性を指摘して別軸の案まで至らなかった我々の配慮不足が何よりの原因です」
「前向きにワクワクできる映像にしたいという気持ちが、リスクへの配慮をあやふやにし、影響を及ぼしてしまったと認識しております」
大森さんは「歴史を彷彿とさせてしまうMVであったというご指摘を真摯に受け止め猛省しております」として、今回の問題からの学びを今後の表現活動にいかしていく考えを示している。
Mrs. GREEN APPLEは2013年に結成されたバンドで、「僕のこと」「青と夏」「点描の唄」など、数々のヒット曲で知られる。
「コロンブス」はコカ・コーラ「Coke STUDIO」のキャンペーンソングとして書き下ろした楽曲でMVが12日に公開された。
しかしユニバーサルミュージックは13日、「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」として公開を停止した。