スペースX社の元社員8人が6月12日、セクハラや敵対的な職場環境、報復解雇などを理由に、同社とイーロン・マスクCEOを相手取った訴訟を起こした。
8人は訴状で、マスク氏の影響で、スペースX社では「女性を性的対象としてブラジャーのサイズで評価し、淫らな性的冗談を言い、異議を唱える者にはよそで働けばいいとする職場環境が作られている」と訴えている。
訴状には、原告が受けたとされるセクハラの事例が記載されている。
2018年にエンジニアとして採用されたペイジ・ホランド=シーレン氏は、上司から下向きのグラフを見せられて、「我々はどうやってこれを勃起させられるか?」と言われたと主張している。
ホランド=シーレン氏はこの会話を人事部に報告したものの、その後調査が行われたかどうかを知らされることもなく解雇されたという。
2021年に採用されたレベッカ・クラーク氏は、男性の同僚が、マスク氏がTwitterに投稿した「不適切な性的コメント」を職場で繰り返し口にしたと主張。
この問題を経営陣と話し合った際に「マスク氏のツイートは個人の見解であり、会社のものではない」と明確に示すよう求めたものの、幹部から「スペースXはイーロンのものであり、スペースXはイーロンである」ため不可能だと言われたと訴えている。
原告8人は、2022年6月にマスク氏の行動やセクハラ疑惑を訴える公開書簡を会社に提出した後、解雇された。
全米労働関係委員会は2024年1月、解雇は違法だとしてスペースX社を訴えた。
【こちらもおすすめ】ロバート・デ・ニーロ氏、トランプ前大統領を猛烈に批判した後に賞を剥奪される
元従業員らは12日に提訴した裁判の訴状で、解雇は「差別やハラスメント、敵対的な職場環境に反対したことへの報復」であり、州や連邦労働法に違反すると主張している。
原告側の代理人アン・シェイバー弁護士は、「セクハラ防止の基本対策を一切取らないスペースX社に抗議して解雇されたことは、明らかな報復、誤りであり違法だ」とAxiosにコメントしている。
ハフポストUS版はスペースX社にコメントを求めたものの、これまでに回答はない。
スペースX社の社長兼最高執行責任者(COO)のグウィン・ショットウェル氏は、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対し「セクハラの申し立ては調査した上で適切な措置を取っている」と述べ、原告の主張を否定した。
マスク氏は過去にもセクハラで訴えられている。2018年には元客室乗務員に機内でマッサージ中に陰部を露出し、馬を買い与えることと引き換えに性行為を求めたとして訴えられ、25万ドルで示談したと報じられている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。