ガザ攻撃を続けるイスラエルに軍事支援するバイデン政権に抗議する大規模なデモが現地時間の6月8日、米ワシントンのホワイトハウス周辺で行われた。
赤い服を着たデモ参加者たちはバイデン政権に対し、イスラエルへの全ての軍事援助を停止することや、即時停戦を要求。ホワイトハウスの周辺約1.6キロに輪をつくり、イスラエルの攻撃で殺害されたパレスチナ人たちの名前を書いた赤い横断幕などを広げた。
デモ団体が掲げた赤い布や横断幕は、米政府がイスラエルへの武器供給の停止を判断する「レッドライン(越えてはならない一線)」を想起させることを意図したものだ。
カービー米大統領補佐官は5月、イスラエル軍が同26日にガザ地区南部ラファを空爆したものの、「レッドライン」は越えていないとの認識を示した。この空爆で、少なくとも45人が殺害され、数百人が負傷したと報じられている。
デモ参加者のプラカードには、「バイデンのレッドラインは嘘だ!」と書かれたものもあった。
デモを呼びかけた団体のメンバーは、「イスラエルによるガザでのジェノサイドに対し、バイデンが引かないレッドラインを引くのがデモの狙い。私たち市民が今日一線を引いて、もうたくさんだと示すのです」と述べている。
ホワイトハウス近くのラファイエット広場にある複数の像は、スプレーでペイントされたり、「ガザを解放しろ」と書かれたりした。
抗議活動は警察も出動する事態となっている。ニューヨーク・タイムズによると、デモ参加者に対し、警察官が催涙スプレーを使用する場面もあったという。
バイデン氏本人は現在、フランスに滞在中でホワイトハウスにはいない。
ガザ保健当局の発表によると、2023年10月7日からの約8カ月間にガザ地区では3万6000人以上が殺害された。6月6日には、ガザ地区で国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校がイスラエル軍により空爆され、子どもを含む40人が殺された。