「ダニ」対策は梅雨前からが大事。潜んでいる場所、時間帯は?撃退する6つのポイント

そろそろダニを警戒する時期になってきました。ダニを増やさないために必要な6つのことをご紹介します。

梅雨が近づいてきました。気象庁によると、沖縄と奄美では5月21日頃に梅雨入りし、平年は6月にかけて各地で梅雨入りしていきます。

そんな梅雨に活動が活発になるとされているのは、「ダニ」。気温20度以上、湿度60%以上で活動が活発になるため、梅雨はダニにとって好条件といいます。

そこで、梅雨前に知っておきたい「正しいダニ対策」について紹介します。

チリダニを増やさないことが大事

卸売業「イースマイル」(東京)が発表した資料によると、家にいる9割は「チリダニ」で、人のフケやアカをエサとしています。動物や人の血を吸う「マダニ」とは違い、人を刺すことはありません。

しかし、人を刺して強いかゆみを引き起こす「ツメダニ」はチリダニをエサとして繁殖するため、まずはチリダニを増やさない環境を整えることが大事です。

チリダニは非常に繁殖力が高く、一生のうちに卵を100個産みます。すると、1カ月半で30匹が2万匹にまで増加することもあるそうです。

資料の中でこのようなことを教えてくれたのは、ダニ類の分類学などを専門とする法政大学国際文化学部の島野智之教授。次のようなダニ対策を呼びかけています。

①初期段階でチリダニ類を撃退する

頻繁に掃除機をかけて生活空間を清潔に保つことが重要です。特に布団や枕はチリダニにとってエサの宝庫。常に清潔にしておけば、ツメダニ類の発生を抑えることにつながります。

② エアコンの除湿器を有効活用

常に部屋の中の湿度が60%以下、できれば55%以下になるように、エアコンの除湿器を有効活用しましょう。

③掃除は朝早くか、夜遅く帰ったときに!

チリダニ類は明るい日中、光や振動を避け、じゅうたんや畳の奥に潜んでいます。暗くなって2時間ほど経つと表面にも出てくるため、電気をつけずに暗いまま掃除をすることがおすすめです。

④小麦粉やお好み焼き粉の管理には注意

開封後の粉物を湿度が高いところに常温で保管しておくと、コナダニがいる場合があります。万が一、ダニによるアナフィラキシーショック症状を起こすと危険ですので、密封した上で冷蔵庫に入れておきましょう。

掃除機をかけるのは少なくとも1週間に1回以上

掃除機は少なくとも1週間に1度はかけて、減らしたダニを再び増やさないことが大切です。毎日1回、1平方メートルあたりを約20秒で掃除し続けると、3週間後にダニが半分から4割ほど減ったというデータもあります。

⑥市販のダニ捕りシートの活用

市販のダニ捕りシートを気になる場所に設置するのも有効です。

ダニの種類
【朝倉書店 「ダニはなし―人間との関わり―」島野智之・高久 元(編)】(イースマイルの資料から)
ダニの種類

なお、イースマイルが3月8日、インターネット上で1000人に調査した結果、50.1%の人が「ダニ対策をできていない」と回答しました。

なんらかの対策をしていると回答した人に「ダニ対策の場所」を聞いたところ、最も多かったのは「ベッド(寝具)」(65.5%)でした。続いて、「カーペット」(42.3%)、「衣類」(34.7%)、「クッション」(28.5%)などでした。

ダニが潜んでいるのは「布団や枕(寝具)」のほか、「床面」、「クローゼット」、「衣類や衣類の収納容器」、「ぬいぐるみ」、「カーテンの裾」や「ソファーの間」、「衣類をしまうタンス」、「布団をしまう押入れ」など。「浴室とトイレ以外は基本的にはダニが潜んでいる」といいます。

皆さんもぜひ、掃除の際の参考にしてみてください。