アメリカのセレブの子どもが演じた「ライオン・キング」の演技に、ソーシャルメディアで厳しい目が向けられ、「ネポベイビーだ」という批判が起きている。
ネポベイビーとは、芸能人や歌手など著名な親を持つ子どものこと。親の七光りでキャスティングなどで優遇されているのではないかと揶揄されて生まれた言葉だ。
ネポベイビー論争に巻き込まれたのは、キム・カーダシアンさんとラッパーのイェさん(元カニエ・ウェスト)の10歳の子どもノース・ウェストさんだ。
ノースさんはロサンゼルスで5月24〜25日に上演されたライオン・キング30周年記念コンサートに、主人公シンバの子ども時代の役で出演した。
コンサートにはビリー・アイクナーさんやジェニファー・ハドソンさん、ジェレミー・アイアンズさんらも出演し、ディズニープラス用に収録も行われた。
シンバを演じたノースさんは、代表曲のひとつ「I Just Can’t Wait to Be King(王様になるのが待ちきれない)」を歌い、演技後にはスタンディング・オベーションが起きたと報じられた。
しかし、その後ソーシャルメディアに投稿された演技の動画に対して、厳しい意見も寄せられ、中には「ひどい演技で、ネポ・ベイビーだ」と主張する人もいた。
歌手で脚本家のニック・アトキンソンさんは「何年も演技やダンス、歌の練習を続けてきた役者や子役の親は、このキャスティングを怒ってもいいと思う......」と、インスタグラムにコメント。
俳優で元トーク番組司会者のロージー・オドネルさんも「ありとあらゆる意味で悲劇的」と書き込んでいる。
衣装に対する批判もあった。ピープルによると、ほとんどの出演者の衣装は、デザイナーのマリーナ・トイビナさんが手がけたが、ノースさんの衣装はロサンゼルスのベニス地区に拠点を置くブランド「ERL」のものだった。
Xには「ノース・ウェストの衣装は驚くほど場違いに見える。ライオンキングの衣装はとても美しくて複雑なデザインなのに、黄色のパーカーを着て足を踏み鳴らしている」といった意見も投稿された。
一方で、ノースさんの演技を擁護する人もいた。
1994年のディズニーのアニメ映画『ライオン・キング』でシンバの子ども時代の歌声を担当した俳優ジェイソン・ウィーバーさんは、「将来有望の若いスーパースターと同じステージに立てるなんて、なんと光栄だろう!素晴らしい演技だった」とインスタグラムに書き込んでいる。
『ライオン・キング』は世界中の多くの人たちに愛されている作品で、1994年にオリジナル映画が大ヒットした後にはブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞6部門を受賞した。
2019年にはリメイク版『ライオン・キング』が公開され、シンバとナラの声を ドナルド・グローヴァーさんとビヨンセさんが担当した。
2024年12月には、シンバの父ムファサを主人公にした前日譚映画『ライオン・キング:ムファサ』が公開される予定で、同作でもシンバとナラの声をグローヴァーさんとビヨンセさんが担当している。さらに、シンバとナラの娘のキアラ役の声は、ビヨンセさんとジェイ・Zさんの12歳の子どもブルー・アイビー・カーターさんが演じる。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。