カンヌ映画祭のレッドカーペット、警備員の対応に物議。強引に急かされた俳優「自分と違う見た目の女性はされなかった」

米歌手で俳優のケリー・ローランドさんや韓国のガールズグループ「少女時代」メンバーでもある俳優のユナさんらが、警備員に強引に急かされている様子を映した動画が拡散され物議をよんでいる。
フランスのカンヌ映画祭レッドカーペットを歩くケリー・ローランドさん(左)。警備員を責めているように見える=2024年5月21日、フランス・カンヌ
フランスのカンヌ映画祭レッドカーペットを歩くケリー・ローランドさん(左)。警備員を責めているように見える=2024年5月21日、フランス・カンヌ
Stephane Cardinale - Corbis via Getty Images

フランスのカンヌ映画祭のレッドカーペットで、複数の俳優が警備員から強引に急かされる動画が拡散され、物議を醸している。

最初に話題に上がったのは、アメリカの歌手で俳優のケリー・ローランドさん。カンヌ国際映画祭のレッドカーペットで警備員の女性を責めている映像が拡散され、物議を醸した。

ローランドさんは5月21日、レッドカーペットでにこやかに手を振っていたところ、警備員によって早く移動するよう強引に促された。しかし女性警備員のその行動に、ローランドさんは納得がいかなかったのだろう。動画では、警備員に対してボディランゲージを用いながら強く責めている様子がわかる。

Kelly Rowland appears FURIOUS on the Cannes Red Carpet after security guards blocked her from posing for photographers.

The Destiny’s Child singer pointed her finger whilst confronting a female guard who tried to make her hurry up the red carpet steps. pic.twitter.com/IqGFBNaWXu

— Oli London (@OliLondonTV) May 22, 2024

ローランドさんはAP通信とのインタビューで、「私は自分の立場を貫いただけ」と返答。出席していた自身とは違う容姿の女性たちは、「責められたり突き飛ばされたりはしなかった」と述べ、人種差別があったことをほのめかした。

こうした対応を受けたのはローランドさんだけではなかったようだ。

5月26日には、ドミニカ共和国の俳優マシェール・タベラスさんが、同じ女性警備員から急かされている動画が拡散された。タベラスさんのドレスにはジーザスの描かれた長いトレインがついており、その全体を披露しようとしたところ、複数の警備員がそれを阻止したようにも見える。最後にはタベラスさんが女性警備員を払いのける様子も見られた。

Cannes Film Festival security guards block a woman posing on the red carpet because her dress featured image of JESUS.

A female security guard put her hands on the actress before the furious woman shoved her in anger.

The same security guard previously harassed Kelly Rowland. pic.twitter.com/TeNOVwcS1T

— Oli London (@OliLondonTV) May 26, 2024

タベラスさんは自身のSNSで、自身とローランドさんにレッドカーペットで起きた一件について書かれた記事の見出しを複数投稿。「私たちはこれまで以上に団結し、お互いを支え合い、魂を守り、境界線を強く持ち、自分たちの権利のために立ち上がる必要がある」と語り、ファンへの感謝とローランドさんへの敬意を述べた。

また、ローランドさんよりも数日前の5月19日にレッドカーペットを歩いた韓国の俳優ユナさんの動画がSNS上で再注目を浴びている。K-POPグループ「少女時代」のメンバーでもあるユナさんは、警備員から腕で後方をブロックされ、メディアとの交流を妨げられていた。強引に急かされ、ユナさんが困惑した表情をしているのがわかる。対応していた警備員は、ローランドさんやタベラスさんを急かしたのと同じ女性警備員だった。

Cannes security guard 'disrespects' Korean actress Yoona #cannes #redcarpet

🎥 @people_in_pfw pic.twitter.com/EK6nS7YM1J

— Daily Mail Online (@MailOnline) May 27, 2024

こうした一連の出来事に対し、ネットでは「なぜあの警備員はクビにならないのか」「明らかに人種差別だ」など多くの批判の声上がっている。

 一方、スーパーモデルのハイディ・クルムさんがレッドカーペットを歩いた際には、警備員の姿は見られず、クルムさんは誰にも邪魔されず階段を上り、スポットライトを楽しんでいた。クルムさんは白人だ。

SNSでは、クルムさんが優雅にレッドカーペットを歩く姿と、ローランドさんが警備員に急かされる様子を比較し、扱われ方の違いを強調した投稿も見られた。

Heidi Klum attends "Le Deuxième Acte" ("The Second Act") Screening & opening ceremony red carpet at the 77th annual Cannes Film Festival #Cannes2024

📸 Getty pic.twitter.com/UKMNViKirA

— Deadline Hollywood (@DEADLINE) May 14, 2024

一方、女性警備員の同僚らは英DailyMailに対し、女性は適切な対応をしており、「ただ仕事をしているだけ」と述べている。

同イベントで長年警備員をしているという男性は同メディアに対し、「安全がもちろん最優先だが、厳しいスケジュールを守るためには、セレブだとしてもルールを守る必要がある」と語っている。

ハフポスト日本版はカンヌ映画祭広報窓口にメールでコメントを求めている。

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