アメリカの下着ブランド『ヴィクトリアズ・シークレット』のファッションショーが、6年ぶりに復活する。2018年の最後のランウェイショー以来初めての開催となる。
同ブランドはSNSで5月15日(現地時間)、元「エンジェル」のモデル、キャンディス・スワンポールが仲間たちに再集結を呼びかけるメッセージを送る動画を公開した。
キャプションには「ヴィクトリアズ・シークレットのファッションショーが復活します。今の私たちの姿に加え、華やかさ、ランウェイ、翼、音楽エンターテインメントなどみなさんが大好きなものが反映されています。期待しててね!」と投稿されている。
ヴィクトリアズ・シークレットのウェブサイトでは、ショーはインクルーシブになると述べ、復活についてこう記されている。
「ファッションショーへの需要がいかに大きいかを目の当たりにしました。私たちはお客様を全ての中心に捉えることを掲げています。お客様が求めてきた華やかさ、翼、ファッション、そして音楽エンターテインメントを、今の私たちを反映したモダンかつ新たなテイストで復活させることを楽しみにしています」
そもそもなぜショーは中止されたのか
1995年にスタートしたヴィクトリアズ・シークレットのファッションショー。2018年を最後に中止された背景には何があったのかーー。
ヴィクトリアズ・シークレットはスリムな体型のモデルばかりを起用することで知られ、ランジェリー業界で長い間圧倒的なシェアを誇っていた。しかしこの数年、商品やモデルの多様性の欠如が批判されていた。
ファッションショーのテレビ放送における視聴率も低迷。
また、ブランドを運営していた「エル・ブランズ」の役員が2018年、プラスサイズやトランスジェンダーのモデル起用に消極的な姿勢を明らかにし、大きな批判を受けた。
近年の変化
ブランドは公式ツイッター上ですぐに謝罪し、その後、トランスジェンダーのモデルとして活動するヴァレンティナ・サンパイオを起用。プラスサイズのモデルも広告に起用し、多様な体型をうち出し始めた。
これまで「エンジェル」と呼ばれるスーパーモデルの起用で有名だったが、ブランドの再構築のために廃止。2021年6月からは「The VS Collective」というメンバーによるキャンペーンを実施。
アスリートやアーティストなど様々な経歴を持った人々をパートナーに選び、テニスの大坂なおみ選手もその1人に選ばれた。
ヴィクトリアズ・シークレットは2023年、ファッションショーをドキュメンタリーという形で映像で復活させている。2024年のショーは秋に予定されているというが、まだ詳細は明かされていない。