世界最大規模の世論調査会社イプソスは5月14日、「2024年イプソスグローバル幸福感調査」の結果を公表した。
調査は世界30カ国、2万3269人を対象に、2023年12月22日から2024年1月5日に行われた。
日本の調査結果を見てみると、「幸せである」と回答した日本人は57%だった。本調査を開始した2011年から13年間で、日本人の幸福感は13ポイント減少しているという。
また、世界と比較すると、30カ国で「幸せである」と答えた人の平均は71%だった。日本は30カ国中27位という低い結果となった。
日本人を世代別に見てみると、「幸せである」と回答した人が最も多かったのは、1945年〜1965年生まれの「ベビーブーマー世代」で66%だった。
次いでZ世代(1996年から2012年生まれ)が62%、ミレニアル世代(1980年から1995年生まれ)が53%で、最も低かったのは1966年から1979年生まれのX世代だった。
また、人生で満足している項目について聞くと、1位が「自分の子ども」、2位が「パートナーや配偶者との関係」と、家族に関する項目が挙げられた。
一方、最下位は「自国の経済状況」、「自国の社会的および政治的状況」などが並んだ。
調査結果について同社の内田俊一代表取締役社長は、最も幸福感を感じていないのはX世代だった結果に触れ、「これはグローバルでも同様の傾向が見られました」とコメントした。
「世代的にはミドルエイジ・クライシス、いわゆる“中年の危機”世代にあたり、肉体的な衰えを感じ始め、それが精神にも影響する。また、夫婦間の問題や子育てに介護、会社での役割の変化など、内からも外からも大きく影響を受けるということがその要因になっているのではと想像します」
また、日本人全体の幸福感も年々下がっているが、「この傾向は日本だけに限ったことではありません」とも指摘した。
「政治不信、紛争や自然災害、新型コロナウイルスなど様々な要因に起因してのことではないでしょうか」