遠く離れた都市に、歓迎の気持ちを広めてほしかったのに…。
アメリカのニューヨークとアイルランドのダブリンを24時間ライブストリーミング映像で結ぶプロジェクトで、市が対応を迫られている。
このプロジェクトは「ポータル」と呼ばれる巨大な円形スクリーンを2つの都市に設置し、ライブ映像でつなぐというもの。
テクノロジーを使ったアート作品で、5月8日にニューヨークのフラットアイアン地区とダブリンのオコンネルストリートにそれぞれ設置された。
大西洋を挟んだニューヨークとダブリンの市民らは、ポータル越しに「ようこそ」と書かれたボードを掲げたり、手を振ったりしてお互いを歓迎した。
ニューヨークのリュウ・ヤティン公共部門長は、「2つの素晴らしいグローバル都市がリアルタイムでつながった」と新たな試みを歓迎。
ダブリンのロイス市長も「ダブリン市民や市を訪れる皆さんには、アイルランドからの歓迎と優しさを世界中の都市に広げてほしい」と述べた。
ポータルはリトアニアのアーティストで起業家のベネディクタス・ギリス氏が立ち上げたプロジェクトで、「地球を一つにするための架け橋」がモットーだ。
遠く離れた2つの都市の市民が、窓をのぞくように、ポータル越しに24時間365日交流を楽しめる。
ポータルが設置された後、ニューヨークとダブリンの市民らがお互いにダンスを披露して楽しんだほか、離れて暮らす親子がポータル越しに再会するという心温まるストーリーも生まれた。
その一方で、予期せぬ問題も発生した。一部の人たちがポータルの前で胸やお尻を露出したり、薬物を摂取したりしたほか、ナチスのシンボルとして使われたかぎ十字や、携帯電話のポルノ映像を見せる問題も発生。
9.11で破壊されたツインタワーの動画を、ダブリンからニューヨークに見せた人もいたという。
ガーディアンによると、ダブリン市議会は5月13日、悪質な行為に対応するためにポータルに修正を加えると発表した。
ダブリン市議会は声明で「すべての行為の管理はできないが、複数の技術的な解決策を導入しており、今後24時間以内に公開される予定だ」と述べたものの、具体的な変更内容は明かさなかった。
ポータルは13日夜に一時的に停止され、数時間後に再開した。
ニューヨークとダブリンをつなぐポータルは2番目の試みとなる。最初のポータルは2021年5月にリトアニアの首都ヴィリニュスとポーランドのルブリンに設置された。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。