子猫のような黒い動物が路上にいても、すぐに触らないで!猫ではなく、たぬきの赤ちゃんかもしれません。
たぬきと猫の赤ちゃんを比較した画像が5月1日、Xに投稿され「見分けがつかない…」「めちゃくちゃ似ている」と驚きの声が上がっています。
投稿したのは、野生動物救護の有資格者で傷ついた動物の保護活動している、たぬきのお母さんさん(@Tanuki_Mum)。実際に、親の育児放棄により産後すぐに保護され持ち込まれたたぬきを人工哺育で育てており、成長過程を見守るなかで「野生での生存や仲間との暮らしが難しい」と判断した個体を終生飼育しているそうです。
たぬきのお母さんさんは「たぬきの赤ちゃんと子猫の見分け方の難しさ」について、写真とともにXに公開しました。「子猫と勘違いして誤認保護してしまわないように注意しましょう⚠️親たぬきは近くに居て戻ってきます!」と呼びかけています。
投稿には3.4万ものいいねがつき、コメント欄でも「ムリムリ見分けられへんって。ポンポコ!とか鳴いてくれ」「たぬきの赤ちゃん初めて見ました。こんなに似てるのか、気をつけなきゃ…」「初見の人に区別は無理だわ。教えてくれてありがとうございます🙇」「たぬきと猫とか間違わないよ…と思ったらこれは無理だ、間違えちゃう」と驚きのコメントが寄せられました。
ハフポスト日本版は、たぬきのお母さんさんに投稿について話を聞きました。
たぬきのお母さんさんは「『たぬきを犬や猫と間違えて保護し、飼っていたけど、噛まれたから野に放した』という話を何度か耳にしたことがあります。しかし、人の手で育てられたたぬきは警戒心が薄く、交通事故に遭う危険性も高いため、野生に戻るのは難しいものです」と説明。
子猫とたぬきの赤ちゃんが似ていることに気がついたタイミングについて聞くと、「現在野良猫の赤ちゃんを保護しており、そのなかに黒猫がいて、一昨年保護したたぬきの赤ちゃんとよく似ていることに気付きました」と答えます。
今回投稿をした理由については「たぬきも人も不幸にならないためにも、今からたぬきの出産シーズンになりますので、誤って保護しないように注意喚起したい」との思いがあったそうです。
また、反響に対して「たぬきが身近な動物でありながら実はあまり知られていないということを再認識させられました。正しい知識を広めることで、野生動物に与える影響や問題に対する関心を高めてもらえれば」と話しました。
たぬきの飼育は難しく犬のようには飼えないそうで、「挨拶代わりに噛まれるなんてことは日常茶飯事。警戒心が強く、突然狂暴になる一面もありますので、たぬきの習性をよく理解していなければ事故や大怪我に繋がる可能性があります」と大変さを語っています。
さらに、「人の足や背中にマーキングしたり、着ている服を嚙みちぎったりと、野生的な行動も多くみられます。莫大な運動量が必要で、適切な飼育環境を整えないとストレスを溜めて自傷行為に至ることもあります。ただ『可愛い』というだけで安易には飼わないように注意して欲しい」と呼びかけています。