(記事の初出:2023年4月14日)
入社したはいいけれど、この会社は本当に自分に合っているのだろうか。他に自分の能力を発揮できる環境があるのではないだろうかーー。
入社1年以内での離職や転職を考える際、不安を感じるという人も少なくないかと思います。実際に退職を決めた人の理由は何が多いのでしょうか?
不動産会社AlbaLinkは、333人を対象にアンケートを行い、「入社1年以内に会社を辞めた理由ランキング」を発表しました。
圧倒的1位は「人間関係が悪い」
入社1年以内に会社を辞めた経験がある333名に「辞めた理由」を聞いたところ、1位は「人間関係が悪い」で、107人がそう答えました。
「直属の上司に恵まれなかったため」「いつも空気が重たく、マネージャーが事務所にいるときは心なしかみんな緊張しているようでした」「指導してくれる人と合わなかった」など、同僚との人間関係が原因で退職を考えたといいます。
2位は「仕事内容が合わなかった」で67人。「入社したら希望と違う部署に配属された」「実際に働きだしてみたら職種が合わなかった」などの理由で退職した人が多数いたといいます。
3位は「求人票と実際の条件が違った」。雇用形態や給与、仕事内容、勤務時間などが実態と異なっていることに違和感を抱き、退職を選んだ人が43人いました。
4位以下は、「ハラスメントがあった(30人)」、「長時間労働がツラい(26人)」、「教育・研修体制が手薄(16人)」、「残業代・給与の未払い(15人)」と続きました。
アンケートに答えた333人の退職時期は、平均は入社から5.5カ月で、もっとも多かった回答は「6カ月」でした。また、1カ月以内に辞めた人や「試用期間の3カ月で辞めた」人など、早めに見切りをつけた人もいました。
「後悔していない」が約9割
「入社1年以内に会社を辞めたことを後悔しているか」との質問には、「全く後悔していない」「あまり後悔していない」と答えた人が合わせて89.2%で、全体の9割近くに。「転職して、前の会社が本当にひどい会社だったと実感したから」「自分を守るために必要だった」「転職先が自分に合っていた」などの回答が寄せられたといいます。
一方で、1年以内に辞めたことを後悔している人は1割ほどにとどまりました。その理由は「辞める判断が早かった」「転職活動で苦労した」「合わない人はどの会社にもいるので、もう少し我慢すればよかった」などの声がありました。
アンケートでは、ハラスメントを受けて離職を考えたという人からの体験談も寄せられており、調査を行ったAlbaLinkは「よく『短期離職は不利になるから、ツラくても3年は我慢するべき』と言われます。しかし法令違反が常態化している企業でハラスメントを受けながら働いていると、心身に大きなダメージを受ける可能性も」あると指摘しています。