海上自衛隊の哨戒ヘリコプターSH60Kの2機が、4月20日夜、伊豆諸島東方海域で訓練中に相次いで消息不明になった。木原稔防衛相が発表し、マスコミ各社が相次いで報道した。ヘリには4人ずつ計8人が搭乗しており、1人は海上から引き上げられたが死亡が確認された。7人が行方不明になっているという。
現場は伊豆諸島・鳥島の東の海上。20日午後10時38分に1機の通信が途絶え、1分後に緊急信号が受信された。さらにもう1機の通信も午後11時4分につながらないことを確認したという。
木原防衛相は21日午前、1人の死亡を確認したと発表。現場海域で両機のフライトレコーダーを回収したことや、機体の一部が発見されたこと、両機が衝突した可能性があるとみていることを明らかにした。
今回の訓練は海上自衛隊のみで実施したという。海自は海上と上空から捜索活動を行っている。
海上自衛隊のウェブサイトによると、行方不明になったヘリコプターSH60Kは哨戒機で、乗員は4人。機体の全長19.8メートル、全幅16.4メートル、全高5.4メートル、全備重量は1万872キログラム。
開発に携わった三菱重工のウェブサイトによると、SH60Kは護衛艦に搭載する艦載型で、SH60Jをベースに改造開発された。対潜戦、監視、輸送、救難など様々な任務をこなす。2001年に初飛行し、翌年に初号機を納入した。
自衛隊ヘリの事故は近年相次いでいる。2017年8月には、今回の事故機であるSH60KのベースとなったSH60Jが青森県の日本海沖で夜間訓練中に墜落し、2人が死亡、1人が行方不明になった。
また、2023年4月には、沖縄県宮古島沖で陸自ヘリが墜落し、第8師団長ら10人が死亡。2018年2月には、佐賀県神埼市の住宅に陸自ヘリが墜落し、隊員2人が死亡。住宅が炎上し女児が軽傷を負った。
【UPDATE】
木原防衛相の発表を受け、乗員1人の死亡確認や、フライトレコーダーを回収したことなどを追記しました(4月21日午後0時19分)