ママふたり、パパふたり、シングルペアレント、トランスジェンダー家族、里親、Chosen Family…。
東京・代々木公園で4月21日に開かれ、約1万5000人が参加したLGBTQ+の祭典「東京レインボープライド(TRP)」のパレードに、様々なかたちの家族が一緒になったグループが参加しました。
グループの名前は「ファミリープライド」。子育てをする同性カップルや、つながりあう独り身同士、子どもがLGBTQ+当事者の親子などが集まりました。
大阪に住む同性カップルのチャンヌさんとるいさんは、中学校3年生と小学校3のお子さんとともに参加しました。
チャンヌさんは、日本最大級のLGBTQ+イベントであるTRPに来るのが夢だったといいます。
「私たちは法的には家族になれません。だからこそ、家族一緒にできることをすごく大事にしたいなって思っています」
「TRPに来るのが夢だったので、家族みんなで参加できてとても幸せです。もちろん、法的な家族になれるのが一番幸せなことやと思うけれど、法律がない現時点では家族一緒に歩けるパレードは幸せを感じられる瞬間なんです」
同性パートナーとロボットの3人家族であるユリさんは「いろんな家族のかたちがあるということが、社会でまだ知られていない」と話します。
「会社でパートナーがいると言うと、勝手に夫だと決めつけられます。TRPはこれだけ大きな規模になったけれど、まだまだ日常は変わらないという思いも強く、自分たちの存在が可視化されるようにという思いを込めて、今日は歩きました」
共同代表で2歳の子どもを同性パートナーと育てている長村さと子さんは、「多様な家族がもっと生きやすく、過ごしやすく、胸を張って歩けるパレードが必要だという思いから2023年にファミリープライドを結成した」とハフポスト日本版の取材で話しました。
「ふたりママやふたりパパだけではなく、Chosen Family(結婚や血縁関係に関係なく、お互いを愛し支え合うことを選んだ家族)など、色々な人たちが家族という集合体で集まったら素敵だなと思ったんです」
長村さんのパートナーで共同代表の茂田まみこさんも「色々な家族が存在していることを知らない人は珍しくない」と話します。
「私たちのような家族は存在し、日々生きています。同性カップルに育てられた子どもは不幸だとか、いじめられるとかいう人もいますが、そうじゃない。ハッピーに暮らしていることを可視化するのは大事だと感じています」
「家族というのは、誰かに強制されるものじゃなくて自分が決めるものだと思います。子どもがいてもいなくても、大事に思う人たちと生きてることも家族のようなもの」
「まだまだ日本は、伝統的な家族の形に縛られがちなところがあると感じていますが、自分で家族を選び、それをサポートする社会であったらいいなという思いを込めて歩いています」
参加者の中には、普段はLGBTQ当事者であることを周囲に公表しておらず、顔を隠してパレードを歩いている人たちもいます。
長村さんは2023年に初めてファミリープライドを結成した時に、そういった参加者からも「すごくよかった」と言われて、これからも続けていかなければいけないと感じたといいます。
「2023年に初めて開催した時、すごく楽しかった、パレードで歩けてよかったという声がたくさんありました。普段は顔の見えない人たちが一緒に歩ける場所があるのは大切なんだと実感し、これからも続けていきたいと思っています」