【こちらもおすすめ】改名し、胸を切除して、やっと「自分」になれた。今、彼が語ること
アメリカの俳優でモデルのハンター・シェイファーさんが、自身の「トランスジェンダー」としてのアイデンティティを、ハリウッドでのキャリアの焦点にしたくないと述べた。
「もう女性として前に進みたい」
25歳のシェイファーさんは、GQ誌のカバーストーリーでこう語っている。
また、自身のキャリアが性自認に過度にフォーカスされるのを避けるため、インタビューでは「トランス」という言葉を使わないようにしていると説明した。
「もし私が口にしたら、今でも全ての記事の最初に『トランセクシャル俳優』と書かれるでしょう」
シェイファーさんは、HBOの大ヒットドラマ『ユーフォリア』でトランスジェンダー女性・ジュールズを演じて一躍有名になった。シェイファーさんは同ドラマに出演して以降、たくさんのトランス役をオファーされたというが、そうした固定観念を持たれたくないと感じたという。
「そうした枠だけにはめられたくないと気づくには時間がかかりました。自分自身のこともこれから私がやろうとしていることも卑下することにもなると感じたんです」と述べた。
「特に高校以降は、そのことを話すことにうんざりしていました。今の自分にたどり着くまで、本当に大変な移行の時期を乗り越え、一生懸命努力してきました。だから今は、女性として前に進みたいんです」と続けた。
シェイファーさんは高校生の時、出生証明書に記載されている性別と一致しない公立学校のトイレの使用を禁じる、ノースカロライナ州の下院法案に異議を唱えて話題となった。
シェイファーさんは、自身がトランス役を断ることができるのは「特権」だと感じており、「とても意図的に判断しています。トランス役をたくさんオファーされたけど、やりたくないし、その話もしたくありません」と話した。
一方、自分のコミュニティのために「代弁者」のような役割を担っていないことに「少しの罪悪感」を感じているという。
「私は今、メディアで最も有名なトランスジェンダーの1人であることは認識しているし、もっと代弁者になれなかったことに対して責任や、少しの罪悪感も感じています」と説明。「トランスジェンダーであることを自分の活動の軸にしないことで、さらに前に進めると信じています」と続けた。
「ムーブメントのためを考えても、さらに前進してすばらしい活躍をすることの方が、ただ語るだけよりもうんと役に立つと思っています」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。