出産後にセックスレスに。結婚15年のカップルが、またセックスライフを取り戻すまで【ニールさん夫婦の場合】

専門家によると、セックスレスを経験しないカップルよりするカップルの方が多いという。ハフポストUS版は、実際に経験したカップルに、実体験を語ってもらった。【セックスレス・ストーリー第1話】
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セックスレスの結婚生活は多くの場合、秘密や恥に包まれていることが多い。しかし長い間一緒に過ごしてきたカップルの多くは、どこかの時点でセックスレス期間を経験するだろう。

ビバリーヒルズを拠点に活動する心理学者でセックス・セラピストのシャノン・チャベス氏は、セックスレスを経験しないカップルよりするカップルの方が多いと語る。

「セックスレスについて、カップルが会話をしたり、考えや感情を共有したりすることはほとんどなく、代わりにパートナーの直感を憶測している」と話す。

「私たちは性欲の浮き沈みがあることをオープンにし、それを正常化することで、セックスレスをタブー視しないようにしなければならない」

ストレスや一部の薬、子どもや健康問題など、様々な要因が性欲に影響を与える可能性がある。そしてもちろん、性行為をほとんどしなくても全くもって幸せなカップルも存在する。

しかし、肉体的なつながりを大切に思う人にとって、セックスレスに伴いがちな孤独感や拒絶感は苦痛となりうる。

チャベス氏は「セックスレスであることは、(人によっては)苦痛の原因となり、パートナーから切り離されたり、触れ合いや愛情に飢えていたりするように感じます。セックスは、全体的な健康と幸福の重要な部分なのです」と説明した。

ハフポストUS版は、実際にセックスレスを経験したカップルに、セックスレスになった原因や、その期間に感じたこと、どのように解消したのかを聞いてみた。

※回答は編集・要約されており、プライバシー保護のため、回答者の名字は省略しています。

【結婚15年、ニールさん(47歳)夫婦の場合】

私たちの性生活が破綻したのは、妻が早産で帝王切開を余儀なくされた難産の後だった。赤ちゃんは激しく長時間泣く子で、妻はもはや自分をセクシーだと感じられず、お互いフルタイムで仕事をし、疲れ切っていた。

息をつけるのは束の間で、セックスなど妻の頭の中にはなかった。でも、私の頭の中では時々よぎっていた。

私たちはその「問題」をあまりにも長く無視した。私は何度か誘ってみたが、断られた。セックスレスな状態に苛立ち、自分が無視されたと感じた時には、妻を無視した。稀にあるデートの夜は、妻はセックスへのプレッシャーを感じ押し潰れそうになっていた。

このパターンが何年も続き、妻がこの話題を完全に避けるための口実にしているように感じた。このことについて会話をしても、妻はほとんど話さないか、黙っているかだった。妻は親密さが欠けていること、そしてそれは多分自分のせいだと認めた。もしかしたら身体的なものかもしれないと、医師の診察も受けた。

しかし何も変わらないまま、さらに数年が過ぎたーー。

ある晩、私の誘いが拒絶された時、これが限界だと思った。拒絶する人と一緒のベットでは眠れないと妻に伝え、口論になった。話し合おうとしたが、私は妻を責め、妻は罪悪感を感じ、黙ってしまう。私は煮詰まっていた。

妻の長年の友人が、セックスを事前に予定に組み込んではどうかと提案してくれたが、私は拒否した。セックスは自然に起こる情熱的なもので、予定してするなんてセクシーでもなんでもない。でも、それが問題だったのだ。私たちの間で自然にセックスは起こってなかった。

そして私は、数日後の夜を選び、渋々この提案を試してみることにした。その夜は、少し違う感じがした。いつもの言い訳や疲れたという不満の代わりに、妻は機嫌が良さそうだった。それは興味深く、私たちは楽しい夜を過ごした。子どもたちを寝かせると、私たちは2階に上がりゆっくりした。気分の昂りを感じた。

私たちはキスをし、ちょっとしたおしゃべりをし、肉体的に触れ合い、その瞬間に没頭し楽しんだ。これこそが私が求めていたセックスだった。お互い楽しかったと分かり、また計画しようと話した。

翌日の夜、私たちは再びベッドに入り、再挑戦する予定だったが、子どもに邪魔をされた。妻は子どもに付き添い、私はしばらく時間が経ったことに気づき、もう今日は起こらないと悟り、イラつき始めた。いつもはここで妻が戻り、お互い無視し、私はただイラついたまま横になっていた。

でも今回は、妻は戻ると、「今日も挑戦したかったんだけど邪魔されて、イライラするし疲れちゃった。明日はどう?それか、週末にしよう」と言った。これこそが妻から聞きたかった言葉だった。私たちは抱き合い、数日後、妻は約束を守った。余韻に浸りながら、私たちはこれが良いスタートだと話した。私たちはこのトピックについて、言い争うのではなく、会話をしていることを嬉しく思う。

数週間、私たちはこの良いパターンを続けていたが、セックスを予定していたある夜、妻は気分が乗らないと言った。私はやる気満々だったが、妻はそうではなかった。

いつもなら、私のイラだちが募るだけだ。でも今は会話することができる。私には「ノー」を受け入れるか、妻に「プレッシャー」をかけるかの2択があった。プレッシャーをかけても、妻の気分が乗らなければ良いセックスにはつながらない。私はただ妻を抱きしめ、「ノー」を受け入れられることを示しながら、それでも妻を欲していることを伝えた。妻は「わかってる。あと数日ちょうだい。私もしたいけど、それは今夜じゃないの」と言った。

それはきっと、妻がその瞬間に言える最高の言葉だった。拒絶するのではなく、ただ待つように言っているだけ。妻の準備ができるまで待つことは、楽しいセックスにつながると最近分かってきた。

そしてこれを何カ月も続けた。そのおかげで私たちはセックスについて言い争うことがなくなり、代わりにセックスについて話したり、じらしたりする。私たちは定期的にセックスをするようになり、妻もまた楽しめるようになった。

私たちはお互いなんらかの理由で予定を変更したこともある。でも会話をすることが、多くの問題を解消し、セックスを難しい問題からお互いから学ぶものへと変えた。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。