知ってる?花粉シーズンの洗濯方法。◯◯を使って静電気を予防しよう。部屋干しのポイントは

花粉シーズン、洗濯物はどうすればいい? 外干しを控えるのは必須、部屋干しの洗濯物を早く乾かす5つの裏技を紹介します。
ウェザーニュース

花粉飛散の本格的なシーズンが到来しました。すでにさまざまな対策を始めていたり、注意するべきことを考えている花粉症の方も多いのではないでしょうか。

ウェザーニュースで3月14日に花粉の飛散状況に関するアンケート調査を実施したところ、多くの地域で花粉を感じている人の割合は9割を超えています。

特に関東や東海では「けっこう感じる」の割合が約6割に上るなど、多くの方が花粉に悩まされているようです。

ウェザーニュース

大事な花粉症対策のひとつとして、花粉が付着した衣類を適切な方法で洗濯することが挙げられます。

花粉シーズンにオススメの洗濯方法について、洗濯のプロであるNPO法人クリーニング・カスタマーズサポート(福島県須賀川市)の鈴木和幸代表に詳しく解説して頂きました。

静電気の発生を抑えるのがポイント

花粉シーズンに外出して帰宅した際、屋内に入る前に衣服に付着した花粉をできる限り払い落とすよう努めたつもりでも、完全な除去は不可能です。まず、洗濯に取り掛かる前の段階で、なにか注意すべき点はあるのでしょうか。

「花粉シーズンには通常の家庭用洗剤で洗濯するだけでなく、柔軟剤を併用することが予防に効果を発揮します。

その理由は、柔軟剤には洗濯物に花粉が付着する大きな原因である、静電気の発生を防ぐための成分が含まれているからです。

市販されている柔軟剤の主成分は陽イオン系界面活性剤で、衣類を作る繊維同士の摩擦による引っ掛かりを少なくして、肌触りをよくするために用いられています。摩擦が減ると静電気の発生も抑えられます。

全自動洗濯機であれば柔軟剤自動投入口に柔軟剤を入れておくだけで、すすぎの段階で柔軟剤が投入されますので、手間はありません。二層式洗濯機はすすぎの水が澄んできたら、洗濯槽に柔軟剤を投入して2~3分程度運転すれば柔軟処理がなされます。

手洗いが必要な素材は、すすぎが終わったらもう一度たらいなどに水を貯め、柔軟剤を入れ、溶かして3分ほど浸しておけば処理は完了です」(鈴木代表)

特に冬から春先にかけては乾燥した日が多く、柔軟剤を加えて洗濯しても静電気の発生が気になることも少なくありません。

「厚手のニット類など、静電気が発生しやすく頻繁な洗濯が難しい素材の場合は、クリーニング専門店で『花粉・静電気ガード加工』を利用してもいいでしょう。

繊維の表面に花粉防止剤や帯電防止剤をコーティングして、花粉が繊維内に入り込むのを防ぐための加工なので、手で払うだけで落ちるようになります。一度のガード加工で、効果は2ヵ月程度持続します」(鈴木代表)

外干しを控えるのが鉄則

柔軟剤を併用して洗濯しても、花粉が飛散する屋外に洗濯物を干すと再度付着してしまうことは避けられません。

「花粉シーズンにはできる限り外干しは控えて、部屋干しにすることをオススメします。

部屋干しの際に気になるのは、臭いです。生乾きのいやな臭いが残るのを防ぐには、風通しのいい湿気の少ない場所を選び、洗濯した衣類の間隔を広めに取ることがポイントです。

そのうえで、シワを伸ばし、ハンガーと服の肩口を合わせて干すようにしてください。

さらに、カーテンを開けて洗濯物をできるだけ窓越しの日光に洗濯物を当てておくようにすると、乾きやすくなります。

乾燥機や空気清浄機も活用してください。ない場合は、扇風機やサーキュレーターで洗濯物に風を当てたり、除湿器やエアコンの除湿モード・暖房機能を用いたりして、できるだけ乾燥した室内環境を作ることも部屋干し時のポイントといえます。今や日本に2万6000軒もあるコインランドリーの乾燥機を利用してみてもいいでしょう」(鈴木代表)

部屋干しの洗濯物を早く乾かす5つの“裏ワザ”

ウェザーニュース
「部屋干しした洗濯物を、より早く乾かすためには、次に挙げる5つの方法を試すといいでしょう」(鈴木代表)

(1)脱水のときに乾いたタオルを入れる
脱水時に乾いたタオルを入れておくと、ほかの洗濯物の水分を吸って乾きやすくなります。黒いズボンなどホコリが目立ちやすい服は、洗濯ネットに入れます。

(2)干す位置を工夫する
部屋の湿度は低いところに集まる性質がありますので、天井近くの高いところに干します。壁際は空気の流れが起こりにくいので、部屋の真ん中に干します。

(3)洗濯物の上下に新聞紙を置く
洗濯物の上下に新聞紙を置き、床には古新聞を敷き詰めましょう。ピンチハンガーで吊るすときは、上にも新聞紙を挟み込むと除湿効果が増します。

(4)洗濯物を裏返して干す
縫い目やポケットなどに風が当たり、早く乾きます。服を脱いだときに裏返したままにしておけば洗うときも表面の生地が擦れないので傷みにくく、外干しのとき表側が日に当たらないので色あせ防止にもなります。

(5)アーチ干しが理想的
洗濯物を横から見たときアーチのように真ん中がくぼんで見えるように、長いものを両端に短いものを真ん中に吊るします。洗濯物の中で上昇気流が発生して空気が動き早く乾くからです。

どうしても外干ししたい場合は…

室内が狭かったりして外干ししかできない場合は、どうすればいいでしょうか。

「時間的にはできるだけ早く、特に午前中に干して取り込むのがいいでしょう。花粉飛散のピーク時間が11時~14時、17時~19時の2回とされているからです。

外出からの帰宅時と同様に、洗濯物も室内に取り込む前に花粉をよく払ってください。洗濯物に付いた花粉は手で払うことで4〜6割が落ちるといわれ、1点ずつ軽く手で払うだけでも持ち込まれる花粉は減らせます」(鈴木代表)

いまの時季から春先にかけては、強風による花粉の大飛散がしばしばあります。洗濯時のさまざまな注意ポイントを確認して、花粉症予防に務めていきましょう。

【関連記事】