アメリカの学生たちが、学生寮の警備員を思いもよらぬプレゼントで驚かせた。このニュースに「まだこの世界は捨てたものじゃない。若者による行動というところに希望を感じる」など心を動かされる人が続出している。
WLNEによると、警備員にサプライズで贈り物をしたのはロードアイランド州にある「プロビデンス・カレッジ」の学生たちだ。警備員はジェームズ・モガジさん。ナイジェリア出身で、週に4日夜勤に入り、寮の安全を守ってくれている存在だ。
学生たちはモガジさんを喜ばせたいと考えるようになった。普段の会話の中でモガジさんがナイジェリアに金銭的な理由もあって10年ほど帰れていないことを知った。
「故郷に帰るためのお金を贈ろう」
学生たちは3月1日、「ジェームズさんが家族と会えるようにしよう」とクラウドファンディングを立ち上げた。目標額は3500ドル(約52万円)に設定した。
クラウドファンディングのページには、学生たちによるモガジさんへの思いがつづられている。
「ジェームズのことを知らない人もいると思いますが、ものすごくいい人なんです。誰にでも笑顔で挨拶してくれて、どんなに夜遅くても快く一緒に話してくれます。私たちのカレッジで警備員として働いていて楽しいと言ってくれます。寮も学校もジェームズがいなかったらまったく別の場所になっていました」
学生たちは7日、その時点までに集まっていた3000ドルを封筒に入れ、モガジさんのもとへ。最初、イスに座って話を聞いていたモガジさんだったが、学生たちから感謝の思いを伝えられると、両手で顔を覆い、床に崩れ落ちた。
地元紙プロビデンス・ジャーナルはモガジさんが6月にナイジェリアに里帰り帰国すると報じている。
学生たちによるサプライズはメディアで報じられ、クラウドファンディングにはさらなる寄付が相次いでいる。3月16日時点で851口の寄付が集まり、寄付額は目標の8倍となる2万8730ドル(約430万円)になっている。
ニュースを見た人たちからは、「人に優しくすれば、人も優しくしてくれるということを証明している」「黄金の心を持った若者たちですね」など称賛の声が上がっている。