フリース洗いは洗濯機でも大丈夫!?
あたたかい割に軽くて肌触りが良いフリースは、比較的安価で使い勝手のいいアイテムですね。洗濯機で洗っても問題ない素材なのでしょうか。
「フリースの素材は基本的にポリエステル100%ですので、ほとんどの洗濯機で洗うことができます。また、少しコツを覚えるだけで、洗濯機でも毛玉が付きにくく、ふんわりと仕上がるように洗うことも可能です。
とはいえ、洗濯する前には、必ずフリースのタグに付いている表示を確認してください。『洗濯機マーク』か『手洗いマーク』が付いていれば、水洗いができます。
『中性洗剤使用』『中性』の表示があったら、『おしゃれ着用中性洗剤』を使ってください。表示に『中性』となければ一般衣料用洗剤も使用できますが、淡い色のフリースには、蛍光剤無配合の洗剤がいいでしょう」(鈴木さん)
フリースを洗濯すると毛玉ができてしまうのは、なぜですか。
「フリースは起毛した素材なので、洗濯機では力が強すぎて繊維同士が絡み合いやすく、毛玉を作り出したり縮んだりしてしまうのです。
『おしゃれ着用中性洗剤』には洗濯物を優しく洗える成分が含まれているので、フリースの洗濯に適しています。フリースは静電気を起こしやすい素材なので、柔軟剤を併用したほうがふんわりとした洗い上がりになります。
また、洗剤の溶け残りはフリースを痛める原因になりますので、なるべく液体洗剤の使用をおすすめします。粉洗剤しかない場合は、あらかじめぬるま湯で溶かしてから使ってください」(鈴木さん)
「ふわふわ」に仕上げる洗い方
もともとの「ふんわり」とした肌触りを保つ洗い方を教えてください。
「洗う前のフリースには、ほこりや糸くずなどが付いている可能性が高いので、事前に粘着シートやエチケットブラシ、洋服ブラシなどで取り除いておきます。とくに洋服ブラシをかけておくと、肌触りが格段によく、ふわふわに洗い上げることができます。
洗濯ネットは毛玉防止と糸くずを絡め取らないために、必ず使用してください。できるだけ目の細かい洗濯ネットを選ぶのがおすすめです。また、ネットに入れるときにはフリースを必ず裏返しにして、畳んでから入れるようにしてください。
洗濯機の操作は『手洗いコース』か『ドライコース』で。『ウール洗い用コース』があればそれを選びます。熱湯で洗うと皮脂の汚れは取れやすくなりますが、生地が傷んでふわふわ感が損なわれてしまいます。冷たい水も痛みの原因になりますので、水温は10~40℃がおすすめです。
また、フリースは洗剤が残りやすい素材ですので、すすぎは2回にしてください」(鈴木さん)
初めてフリースを洗濯するときには、色落ちがないかどうかの確認も必要とのことです。目立たない箇所に洗剤を少量しみ込ませて、5分後に白い布で軽く押さえて色移りの有無を確認。色移りがあったら他の洗濯物と分けて洗いましょう。
ふっくら仕上げるためには干し方も重要なポイントです。
「干す前にドライヤーの温風で3~5分間、乾かしてください。乾燥機に同様の時間、かけるのもいいでしょう。温風がフリースの繊維に送り込まれることで、ふっくらと仕上がります。
ドライヤーや乾燥機をかけられない場合でも、空気を送り込むのが効果的です。干す前にフリースを強めにパタパタと、数十回振ってから干してください。
ただし、脱水が不十分なままハンガーで干すとフリース自体の重さに引っ張られて型崩れしやすくなります。また、一方で脱水のし過ぎは摩擦によって生地が痛んでしまう原因になるので気を付けましょう。
フリースは平らなところにバスタオルを敷いて乾かすと、型崩れしにくくなります」(鈴木さん)
さらに、洗濯後のひと手間で、見違えるような「ふわふわ」の仕上がりにすることができるそうです。
「方法はとても簡単で、洗い上がったフリースを『スリッカーブラシ』と呼ばれるペット用のブラシでブラッシングするだけです。
スリッカーブラシは本来、ムートンの絡みを取るために使われていたものです。そのため、絡まってしまったフリースの毛先をしっかりととかし、なめらかにしてくれます。
さまざまな角度からフリースにブラッシングを行い、すべての部分を終えたら最後に上から下にブラシを動かし、毛先を整えましょう。ブラッシングを行うとしなやかな肌触りが戻ってくるだけでなく、本来のあたたかさも取り戻せます」(鈴木さん)
フリ—スは正しい方法であれば洗濯機で洗えます。衣替えで片付けるときにも役立つお手入れ法です。上手な洗濯と仕上げ、干し方のコツをつかんで、ぜひふわふわで快適な着心地をキープしましょう。
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