俳優の菜々緒さんが3月7日、解熱鎮痛薬「EVE(イブ)」のイベントに出席。3月8日の「国際女性デー」に合わせ、働く女性として悩んできた痛みを告白し、“チョコレート嚢胞”を患っていたことを明かした。
女性のキャリア形成における“壁”について話が及ぶ中、菜々緒さんは「20歳の頃からこの仕事を始めて10年の、30代に差し掛かったあたりで“壁”に直面しました」とコメント。
多忙を極める中、「20代から卵巣に“チョコレート嚢胞”という血の塊が出来ていたんですが、その体調の変化で体がしんどくなり始めた頃に、5センチくらいまで大きくなってしまった」と、女性特有の病気を患っていたことを明かした。
菜々緒さんは「医師から『これ以上大きくなると破裂してしまう。緊急手術になるかもしれない』と言われて、本当に体を休めて大切にしてあげないといけないんだと感じた」と当時を振り返った。
さらに「“見えない痛み”を抱えながら社会で頑張っている女性がすごくたくさんいる。みんなが認識して支え合いながら頑張っていける世の中になっていけたら、すごくいいな」と会場に呼び掛けた。
菜々緒さんも20代で直面した“チョコレート嚢胞”とは?
慶應義塾大学医学部産婦人科学教室・青木大輔教授の「ドクターズファイル」での解説によれば、チョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)は、子宮内膜症の一種。古い血液が卵巣内にたまり、チョコレート状の液体を含んだ嚢胞ができることを指す。子宮内膜症は特に20~30歳代の女性に多い病気で、生殖可能年齢の約10%が発症するとされている。
主な症状は月経痛などの痛みで、特にチョコレート嚢胞が破裂してしまうと、急激に非常に強い痛みが発生する。場合によっては、感染症の合併や、まれに卵巣がんのリスクもあるという。また、子宮内膜症患者の30~50%が不妊症になるとされている。
“働きざかり”の年代に発生しやすく、妊娠を望む場合に大きな障害となり得るチョコレート嚢胞。医師は、月経痛がひどくなってきた、月経時に便通異常や下血があるなどの症状に気づいたら、早めに産婦人科を受診することを推奨している。