2023年4月から一部を除いて休館となっている東京・渋谷の複合文化施設Bunkamuraで、24年3月16日〜24日までの9日間、期間限定プログラム「Bunkamuraの未来を照らす新しいアート体験」が開催される。「渋谷ファッションウイーク2024春」の一環で、休館中の館内にだれでも入れる催しとなる。
吹き抜けに大型インスタレーション
施設を運営する東急文化村によると、「アート体験」のプログラムは三つある。
一つ目は、Bunkamura建築のシンボルともいえる地下1階の吹き抜けに展示する「ミラーボールファニチャー」だ。
アーティストの西野達さんが製作した。Bunkamuraで使われていた譜面台、イーゼル、控室のロッカー、椅子などの家具、什器にミラーを貼り付け、ミラーボールとして再構成した作品だという。
ミラーに反射する「カルチャーの光」が吹き抜けを隅々まで照らす。1989年の開館から35年続く施設の活動に光を当て、未来に続くさまを表現したという。
二つ目は、地下にあった音楽スタジオに展示する新作のサウンドインスタレーション「Sprout」。製作したevalaさんは旧スタジオについて「90年代から数々の名曲が生み出されてきたミュージシャン憧れの場所。敬意をこめて、新たな実験を試みた」とコメントしている。
三つ目は旧Book Shopでの書籍販売。クリエイターやアート系ブックストアから出品された書籍や作品を販売する。売り上げの一部を能登半島地震の被災地へ寄付する。
開催時刻は午後1時から午後8時まで(最終日のみ午後6時まで)。観覧無料。
Bunkamuraは1989年に「日本初の大型複合文化施設」として開館し、文化芸術の発信拠点として親しまれてきた。23年4月、オーチャードホールを除いて休館となった。東急百貨店本店土地の開発計画に伴うもので、27年度中までに、施設の補修や設備更新を行い、新築される施設との一体化に向けた改修工事を行うとしている。