すでに多くの地域でスギ花粉が猛威を振るい始めました。
こんなとき、注意しなければならないのは、家の中のお掃除です。いつものように窓を開け、いつものように掃除機をかけていたのでは、部屋中が花粉だらけになってしまいます。
おそうじ本舗の技術アドバイザー・尾崎真さんに、花粉飛散時の正しいお掃除法を教えていただきました。
掃除で気をつけたいNGはこれ!
花粉が多い季節の掃除は、どうすればいいのでしょうか。やってはいけないNG掃除法があれば、知っておきたいものです。
「NG掃除法は、大きく分けて2つあります。1つは、いつものようにフローリングの床にいきなり掃除機をかけることです。フローリングには、花粉が溜まっている可能性が少なくありません。いきなり掃除機をかけると、掃除機の後ろから出る排気風で花粉を巻き上げ、部屋中に飛散させてしまいます。
もう1つは、“ホットスポット”を掃除する前に窓を開けて、換気をしてしまうことです。ホットスポットとは、玄関、ベランダ、網戸・窓サッシといった、花粉が溜まりやすい箇所をいいます。花粉はホットスポットから室内に侵入するので、まずはここを掃除しましょう」(尾崎さん)
「フローリング」掃除の手順
花粉飛散時は、順番が大切なのですね。では、具体的な方法を教えてもらいましょう。
「花粉飛散時は、ウェット掃除がおすすめです。日頃、乾いた汚れはそのまま取り除いていると思いますが、花粉は濡らして取らなければなりません。
濡らして取るお掃除の基本は、雑巾がけです。濡らした雑巾を絞ってフローリングを拭けばいいのですが、今はフローリングワイパーが普及しているので、これを使いましょう。使い捨ての不織布(ウェットタイプ)を取り付け、やさしくかけてください。
掃除のプロは、拭き残しがないように、出入口の対角線の遠い場所から、後ずさりしながら拭いていきます。フローリングの木目の溝に花粉が入らないように、木目と平行にゆっくり拭くのがコツです。ウェット掃除を済ませてから、掃除機を“弱”の設定でサッとかけてください。
フローリングの掃除を行うタイミングは、室内に舞っていた花粉が床に落ちたあとです。人の動きが途絶えて、1時間経ってからウェット掃除を始めましょう」(尾崎さん)
「玄関」掃除の手順
玄関は、どのような方法で掃除すればいいのでしょうか。
「玄関のウェット掃除は、新聞紙、バケツの水、ホウキで行います。新聞紙をバケツの水に浸して軽く濡らし、細かくちぎって玄関に撒いてください。量は、玄関の床3分の1を占めるくらいでいいでしょう。それをホウキで掃けば、ウェット掃除ができます。
掃く方向は、上がり框(かまち/室内側)から外へ向かってです。新聞紙に染み込んだ水が汚れと一緒に花粉をキャッチしてくれるので、花粉を舞い上げずに掃除することができます。
その後、掃除機で細かい汚れを取りますが、掃除機のヘッドは通常のものでなく、ブラシが付いたものなど、ハードワークに適したタイプに取り換えてください」(尾崎さん)
「ベランダ」「網戸・窓サッシ」掃除の手順
玄関以外に花粉が室内に入りやすいベランダや窓は、どのように掃除すればいいのでしょうか。
「ベランダも、いきなりホウキで掃いてはいけません。かえって花粉を飛散させるので、濡らして固く絞った雑巾などで拭き掃除しましょう。ポイントは、物干し竿→手すり→エアコンの室外機の順に、高いところから低いところへ拭いていくことです。
最後にベランダの床を拭きますが、室外機周りや排水口などは週1回程度水で洗ってもいいでしょう。濡らしたままにしておくとその上に花粉が付着して固まることがあるので、乾拭きして水分をしっかり取ってください。
網戸は、まず掃除機をかけます。持ちやすい大きさに切った段ボールを網戸の外に当て、内側から掃除機で吸うといいでしょう。
次に拭き掃除をするので、普通のタオルとナイロンタオルを用意してください。両方を水で濡らして固く絞り、網戸の外側にはナイロンタオル、内側には普通のタオルを当てます。
両手で挟むようにして拭いていくと、ナイロンタオルが掻き出した汚れを普通のタオルが受け止め、汚れがごっそり落ちてくれます。
窓サッシは、水で濡らして固く絞ったタオルを細長い定規に巻き、サッシの溝の底まで差し込んで斜めにひねりながら拭いてください。
サッシの底をきれいにしておかないと、窓を開け閉めするたびに花粉が室内に舞い込みます。花粉を意識した掃除は、網戸と同時に窓サッシまできれいにすることが必要です」(尾崎さん)
花粉飛散時の掃除法、意外なことがNGで驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。これからますます花粉が増えるる季節です。正しいお掃除でまずは室内から花粉を防ぎ、健康な春を過ごしましょう。
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