住まいを探す難民や避難民への差別や不平等、4人に1人が訴える「日本語に不自由なくても断られた」

調査から、難民・避難民が住まい探しで困難を抱えている実態が明らかになりました。
LIFULL

難民・避難民などの社会課題解決に関わる事業を展開するLIFULL(ライフル)は、「難民・避難民の住まいの実態調査」の結果を発表した。

LIFULLは、「難民包摂市場」をつくっていくためのビジネスリーダーと企業のコミュニティ「Welcome Japan CxO Council」に参画している。

参画にあたり、UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)とスイスが主催する「第2回グローバル難民フォーラム」で調査結果に関する宣言を提出した。

この調査は、母国からの強制移住により日本に逃れてきた難民・避難民の背景がある119人を対象に行われた。

LIFULLによると、難民・避難民の住居課題に関する調査は日本で初めてという。

結果は以下の通り。

アジアからの来日が3割超え

対象者に出身地域を尋ねると、最も多いのが「アジア」で31.9%、次いで「中東」が24.4%、「ヨーロッパ」が16.0%、「アフリカ」が16.0%となった。

国籍に関しては、「ミャンマー」が21.8%で最多で、「ウクライナ」が14.3%、「アフガニスタン」と「シリア」がそれぞれ10.9%と続いた。

現在の職業では、「会社員」が33.1%で最も多く、次いで「学生」が20.3%、「無職」が19.5%、「パート・アルバイト」が16.9%となった。

賃貸物件探しを行った時の年収を尋ねると、「300 万円未満」が68.1%と多数を占めた。

次いで「300万円以上400万円未満」が15.1%と、年収400万円未満が8割以上を占める結果となった。

賃貸物件探しを行った時の年収
賃貸物件探しを行った時の年収
LIFULL

住まい探しにおける不便や困ったことは?

「不動産ポータルサイトで賃貸物件を探した際や、不動産会社の店頭に訪れた際に、不便に感じたり困ったりしたこと」に関しては、約4割の人が「外国籍であることがハードルとなり、候補となる物件が少なかった」と回答した。

また、31.1%の人が「日本人の保証人が必要だった」と回答し、28.6%の人が「日本語が読めず、分からなかった」、25.2%の人が「外国籍・難民であることを理由に、差別を受けた/不平等さを感じた」と回答した。

具体的には、「日本語が難しい。聞くのも読むのも難しいです」などの日本語に関する困りごとがあがった。

そのほか、本人の国籍や保証人をめぐって、次のような扱いをされたという声が寄せられた。

「不動産屋に入るのを2回拒否され、アパートを3回申し込んだが却下された。私が難民であることを理由に、3度入居を断られた。日本人の保証人がいないとアパートを借りられない」

「外国籍や難民であることを理由に差別を受けたり、不公平な扱いを受けたと感じた」

「オーナーは、私がシリア人留学生であることを知って、私の申請を却下した」などの声が寄せられた。

不動産ポータルサイトでの賃貸物件探しや、不動産会社への来店時に感じた不 便・困ったこと
不動産ポータルサイトでの賃貸物件探しや、不動産会社への来店時に感じた不 便・困ったこと
LIFULL

物件の内見や契約時、不便に感じたり困ったりしたことついては「日本語が読めない」という声が最も多かった。

また23.5%の人が「外国籍・難民であることで、差別を受けた/不平等さを感じた」と回答した。

具体例として、国籍を理由とした対応に関して「不自由なく日本語を話せても外国籍であることでオーナーさんに断られることが何回かあった」といった声が寄せられた。

賃貸物件の内見や、契約の際に不便に感じたり困ったりしたこと
賃貸物件の内見や、契約の際に不便に感じたり困ったりしたこと
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