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「アルバイトを始めようかな、でもどうしたらよいのだろう」
4月から高校1年生の年齢になる不登校の子どものなかには、アルバイトを始めようという気持ちが芽生えます。しかし、焦る気持ちが先走ってしまうと、うまくいかないこともあります。
「不登校からのアルバイト」をめぐり、子どもの不安をやわらげ、失敗しないために必要な5つのコツを紹介します。
4月から高校1年生の年齢になる不登校の子どもにとって、大きな選択肢が1つ増えます。それはアルバイトができるようになること。「不登校からのアルバイト」という一歩を踏み出す際、子どもはもちろん、親としても押さえておきたい5つのコツをご紹介します。
辞め方を知る
1つ目のコツは、アルバイトの「辞め方を知ること」です。
「始める前になぜ?」と思われるかもしれませんが、これこそが非常口の確保につながります。もしもに備えて辞め方を知っておくことが、子どもの不安をやわらげるために必要な事前準備です。
本紙で取材してきた不登校経験者が実体験を通じて培ってきた「アルバイトの辞め方」のポイントは2つ。「辞めると切り出すタイミングは2週間前でOK」「辞める理由はポジティブなものを事前に考えておく」というもの。後者については、進学や資格試験に挑戦などがあります。
現場を見る
2つ目のコツは、アルバイトの候補先を絞り込んでいく際、その候補先を「自分の目で見ておくこと」。
求人誌やネットに書かれている情報だけを鵜呑みにせず、実際に見に行き、そこで働く人たちの雰囲気などを事前にチェックしておくことが重要です。
「接客業なんて無理」と考えていた不登校経験者のAさんは、近所のスーパーを実際に見に行き、働く人たちのようすを見て「ここならば、と決心した」と言います。
自宅からの距離
アルバイト先が自宅から近いことは便利な反面、デメリットもあります。もしも、選んだバイト先が自分に合わずに辞めてしまった場合など、プライベートで行きにくくなることがあります。
また、バイト先の人と街中でばったり会うなんて可能性を恐れるあまり、子どもの行動範囲が狭まってしまいかねません。自転車で30分、電車で2、3駅など、自宅からやや遠いと感じるバイト先を選ぶのが、3つ目のコツです。
空白より大事なこと
いざ、バイトの面接となると、履歴書の提出を求められることが多々あります。その際、年齢によっては履歴書に空白期間があることを気にする不登校経験者も少なくありません。
若者サポートステーションという就労支援団体の相談員を15年以上務めてきた岡本圭太さんによれば、「大事なのは『いかに空白を埋めるか』ではなく『この人ならうちで働けそうだなと面接官に思ってもらう』こと」。
子どもは「不登校だった、職歴がない」など、自分の過去にばかり目が向きがちですが、面接官は「未経験からでも仕事をおぼえられそうか」といった未来を見ているからです。この点を知っておくことが4つめのコツです。
まずは週2日くらいから
最後のコツは、シフトの出し方です。
いざバイトが決まった際、つい大量のシフトを出したくなるかもしれませんが、まず大事なことは働く体力を身につけること。バリバリ働きたい気持ちがあっても、働く体力が身についてないと、そのギャップにしんどくなってしまう場合があります。
まずは週2日ぐらいから始め、力の抜きどころがわかってきたところで、日数を増やせばよいのです。
バイトの辞め方を事前に考え、バイト先を慎重に選び、面接に臨む。アルバイトを始めることの不安をゼロにすることは難しくとも、一連の流れにおける事前準備をしておくことが、一歩を踏み出す際の後押しになります。(小熊広宣)
(2024年2月21日の不登校新聞掲載記事「『辞め方を知っておけば怖くない』アルバイトを始める前に知っておきたい5つのコツ」より転載しました)