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「フェムテックという言葉は知っているが、どんなものかまでは理解していない」「フェムテックといえば月経関連のグッズやアプリというイメージ」…
フェムケア事業を展開するオノフによる調査から、このような傾向が見えてきました。
フェムテックとは「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉で、女性が抱えるさまざまな悩みをテクノロジーによって解決する商品やサービスのこと。
全国の20〜60代女性に対して行われた同調査の結果を紹介します。
ここ1、2年で認知が広がる
「あなたはいつから『フェムテック』をご存知でしたか」という質問には、「1年ほど前(2022年)」と答えた人が31.2%と最も多くなりました。
次に「半年前後(2023年1〜5月頃)」が20.3%、「1〜3か月程前」(2023年6〜8月頃)が13.0%と続き、2023年に認知した人が合計で38.1%という結果になりました。
「フェムテック」という言葉は2021年の流行語大賞にノミネートされましたが、一般的に認知されたのは最近になってからということが今回の調査で明らかになりました。
その理由として、今回の調査を手がけたオノフは「『フェムテック・フェムケア』という言葉が流行り始めた2020年ごろ、女性起業家たちが相次いで吸水ショーツを使い始めたことをアピールしていたことから、一般消費者は『あまり自分とは関係がない』など、自分ごと化が進まなかった可能性がある」と分析しています。
「言葉は知っているけれど…」が大半
「あなたが思う『フェムテック』のイメージについて」という質問に対しては、「わからない」と回答した人が約4割いました。言葉は聞いたことがあるものの、それが何を指すのかまでは理解していないという人が多いようです。
また「わからない」と回答した人を除いた残り6割の中でも、約半数の人が「女性特有の悩みを解決してくれる“何か”」という曖昧なイメージを持っていることがわかりました。言葉だけが先走って実態が伴っていない状況ではあるものの、比較的ポジティブなイメージを持つ人が多いのかもしれません。
更年期ケアは含まれない?
さらに、「利用したことがある製品・サービス」について聞いたところ、「月経管理アプリ」が20.8%と最も多い結果になりました。
次に「婦人科系疾患検査」が20.3%、「マタニティインナー/ウェア」が15.1%と続きます。使用目的がわかりやすいものが利用されているという傾向があるようです。
一方で「更年期ケア・症状記録ケアアプリ」「オンライン相談サービス(月経・妊産時・不妊・更年期など各種)」などの利用は1%未満にとどまっています。
36~55歳の女性の約半数以上が何らかの更年期症状を抱えていたり、40〜50代女性の9.4%が更年期症状・更年期障害を理由に退職していたりする現状があるにもかかわらず、更年期に関するフェムテック/フェムケア製品はあまり利用されていないようです。
フェムテックには、さまざまな世代の女性を対象としたものがあります。更年期の悩みを抱える人やその周囲の人は、フェムテックを「関係ないもの」と思わず、課題解決のための選択肢のひとつとして覚えておくといいかもしれません。