アメリカ・ミズーリ州カンザスシティで2月14日、アメリカンフットボールのNFLカンザスシティ・チーフスのスーパーボウル優勝パレードで銃撃事件が発生し、少なくとも1人が死亡、22人が銃による傷を負った。
当局によると、負傷者のうち8人が重体で命が危険な状態にある。負傷者には複数の子どもも含まれている。カンザスシティ・チーフスの選手やコーチ、スタッフは無事が確認されている。
亡くなったのは地元ラジオ局KKFIのDJで、「テイスト・オブ・テハノ」という番組を担当していたリサ・ロペス=ガルバンさんだ。
KKFIは「この愚かな行為により、彼女の家族とカンザスシティのコミュニティーから素晴らしい人が奪われた」とコメントしている。
パレードに参加していたカンザスシティのクイントン・ルーカス市長は「多くの人たちがこの日をとても楽しみにしていました。一生忘れられない日になるはずでした。それが、銃撃の脅威を思い起こし、人々やその家族が負傷する日になってはならなかった」と記者会見で銃撃を非難した。
銃撃は優勝パレードの終盤に発生し、参加者が容疑者と思われる人物を取り押さえる場面もあった。
ユニオン駅の近くで子どもとパレードに参加していたポール・コントレラスさんは「その男を止めて」という声を聞いて容疑者を追いかけ、周囲にいた人たちと協力して取り押さえたという。
現場で撮影された動画には、参加者が容疑者と思われる人物を追いかけ、タックルしている様子が映っている。
コントレラスさんは、大混乱の中で容疑者を追いかけたことについて「何も考えず、ただ体が反応した」とCNNのインタビューで説明している。
警察は容疑者3人を拘束して現場から少なくとも1丁の銃器を回収したと発表したが、この中にコントレラス氏らが取り押さえた人物が含まれているかどうかは明らかになっていない。
事件の後、カンザスシティ・チーフスのチームや選手らは哀悼の意をソーシャルメディアに投稿している。
カンザスシティ・チーフスは「今日のパレード終盤にユニオン駅の外で起きた愚かな暴力行為を心から悲しんでいます。私たちの心は、犠牲者とその家族、そしてカンザスシティのすべての人々とともにあります」と述べている。
クオーターバックのパトリック・マホームズ選手も「カンザスシティのために祈っています」とXに投稿。
タイトエンドのトラヴィス・ケルシー選手は「私の思いは、優勝をともに祝おうとパレードに来てくれた人や、被害に遭われたすべての人たちとともにあります」と述べている。