寒さや花粉で鼻をかむ機会も増える時期です。実は間違った方法で鼻をかむと、中耳炎など耳鼻科にかかる病気になるおそれがあります。大阪はびきの医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科の川島佳代子先生にお話を伺いました。
“片方ずつ”と“強くかみすぎない”
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「鼻をかむときに意識して欲しいのは、
(1)ティッシュを鼻にあて、片方の鼻翼を押さえる。
(2)ゆっくりと鼻水を出す。
(3)次に反対の鼻翼を押さえ、同じように鼻水を出す。
(4)何度もこのような動作を左右交互に繰り返し、鼻水が残らないようにする
の4つです」(川島先生)
なぜ、このようなやりかたをするのでしょうか。
「診察室で鼻をかんでもらうと、年齢を問わず両鼻同時に強くかむ動作をする人が多いですが、それは危険です。鼓膜に強い圧力がかかってしまうからです。細菌やウイルスを介した鼻水が、耳管を通して中耳に送り込まれると耳痛や耳だれをおこす急性中耳炎になります。
また、まれに外リンパ廔(ろう)という病気を起こすことがあります。内耳のリンパ管の膜が圧力によって破れて、高度の難聴や激しい眩暈(めまい)を起こす病気です。この原因の1つは強く鼻をかむことです」(川島先生)
鼻をすするのは最悪
また、鼻水が多くない時や、手元にティッシュがない時などに、よく鼻をすすってしまいがちですが、これも良くないと川島先生は警鐘を鳴らします。
「鼻すすりは、耳と鼻をつなぐ耳管という管を経由して鼓膜に陰圧をかけることになり、鼓膜が中へ凹んでしまいます。それを繰り返すと、中耳に水がたまる滲出性中耳炎、鼓膜が凹んだままになる癒着性中耳炎、凹んだ鼓膜に耳垢が蓄積されてできる真珠腫性中耳炎などを起こします。真珠腫性中耳炎は、骨を溶かし難聴や眩暈などを起こすおそれがあります」(川島先生)
「鼻すすりは、耳と鼻をつなぐ耳管という管を経由して鼓膜に陰圧をかけることになり、鼓膜が中へ凹んでしまいます。それを繰り返すと、中耳に水がたまる滲出性中耳炎、鼓膜が凹んだままになる癒着性中耳炎、凹んだ鼓膜に耳垢が蓄積されてできる真珠腫性中耳炎などを起こします。真珠腫性中耳炎は、骨を溶かし難聴や眩暈などを起こすおそれがあります」(川島先生)
一部ではすでに花粉が飛び始めており、関東や近畿でもまもなく花粉シーズンとなるため鼻をかむ機会は引き続き多いでしょう。その時は正しい方法でかんでほしいと川島先生はいいます。
「ふだん患者さんを診ていると、鼻の正しいかみ方を知らない人が少なくありません。しかし、鼻をかむことは、炎症を抑え、アレルギー物質や細菌などを排泄するための重要な動作なので、正しいやり方で積極的にやってほしいと思います」(川島先生)
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