これまでの経緯はこちらに>>「セクシー田中さん」漫画原作者の死去。ドラマ放送をめぐって、これまでに起きたこと。日テレや小学館の対応は
日本テレビでドラマ化された漫画「セクシー田中さん」の作者、芦原妃名子さんが自ら命を絶ったことを受けて、漫画を連載していた小学館の編集者と、ドラマの脚本家が2月8日、それぞれインターネットサイトやSNS上でメッセージを公表した。
芦原さんは生前、原作に「忠実に」することを条件にしていたドラマの脚本をめぐり、テレビ局側と交渉を繰り返した経緯を明らかにしていた。
小学館の編集者らのメッセージは、同社の漫画誌「プチコミック」の公式サイトに、「小学館第一コミック局 編集者一同」の名で掲載された。
「著者の意向が尊重されることは当たり前のこと」
これをプチコミックの公式Xにも投稿した。
メッセージははず、芦原さんの死去について「深い悲しみと共に、強い悔恨の中にいます」と述べ、生前の芦原さんについて「とても誠実で優しい方でした」と振り返った。
その上で、漫画の著作者には「著作者人格権」があり、これは「著者の心を守るための権利」であると説明。「今回、その当然守られてしかるべき原作者の権利を主張された芦原先生が非業の死を遂げられました」と述べた。
原作漫画が完結する前にドラマが放送されることについて、芦原さんがどのように考えてきたのかを紹介しつつ、次のようにつづった。
「著者の意向が尊重されることは当たり前のことであり、 断じて我が儘や鬱陶しい行為などではありません。守られるべき権利を守りたいと声を上げることに、勇気が必要な状況であってはならない。私たち編集者がついていながら、このようなことを感じさせたことが悔やまれてなりません」
ただし、放送されたドラマについては、編集者らが間に入ってテレビ局側と交渉し、芦原さんが納得するまで脚本が修正されたと説明。「ぜひ安心してドラマ版 『セクシー田中さん』も愛し続けていただきたい」と呼びかけた。
「経緯、初めて聞くことばかり」と脚本家
一方で、脚本を担当した脚本家は、自身のInstagramにメッセージを投稿した。通常写真が載るスペースは真っ白で、本人のアイコンも外してあった。その上で、次のようなメッセージを載せた。
「芦原妃名子先生の訃報を聞き、 大きな衝撃を受け、未だ深い悲しみに暮れています。(中略)芦原先生がブログに書かれていた経緯は、私にとっては初めて聞くことばかりで、それを読んで言葉を失いました。いったい何が事実なのか、何を信じればいいのか、どうしたらいいのか、動揺しているうちに数日が過ぎ、 訃報を受けた時には頭が真っ白になりました。 そして今もなお混乱の中にいます」
そして、「もし私が本当のことを知っていたら、という思いがずっと頭を離れません」などと、自身のSNSでの発信を悔やんだ。
ドラマ「セクシー田中さん」は日本テレビで2023年10〜12月に放送された。
全10話のうち最終の9、10話の脚本は芦原さんが担当した。このことを1〜8話を担当した脚本家が12月下旬に自身のInstagramで明らかにしたことを受けて、芦原さんがそうなった経緯を年明けの1月26日、自身のブログで説明していた。
芦原さんは、その3日後の1月29日に死去が報じられた。新聞報道などによると、警察は自死だとみている。
生きるのがつらいと感じている人や、周りに悩んでいる人がいる場合、以下のような相談窓口がある。
・厚生労働省 相談先一覧
・いのち支える相談窓口一覧(都道府県・政令指定都市別の相談窓口一覧)
・#いのちSOS(電話相談)
・チャイルドライン(電話相談)
・生きづらびっと(SNS相談)
・あなたのいばしょ(SNS相談)
・こころのほっとチャット(SNS相談)
・10代20代女性のLINE相談(SNS相談)