Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」は2月5日、幸福とペットに関する意識調査の結果を公表しました。
20~80代の728人を対象に、「100年生活時代」と聞いて不安に感じることを尋ねると、最も多かったのが「自分の健康・病気」で75%、次いで「お金」が71.2%、「地球温暖化や自然災害など、環境問題」が29.1%と続きました。
「社会的孤立や孤独感」と回答したのは24.2%で、健康面や経済面だけでなく、精神面についても4人に1人が不安を感じていることが分かりました。
では、どうすれば孤立や孤独への不安を和らげることができるでしょうか?ヒントは「ペット」にあるかもしれません。
幸福度が10点満点中7点以上の割合をみてみると、ペットを飼っている人は、飼っていない人より7.8ポイント高いことが分かりました。
ペットを飼っている人に、飼ってよかったことを聞くと、「ペットの存在が日常を豊かにしてくれる」(50.1%)、「ペットに癒され、ストレスが減った」(49.9%)などが挙げられました。ペットがいてくれることで、生きがいを感じたり、精神的に安定する可能性が示唆されています。
一方、「私の死後かわいそうで飼えない(80代、男性)」という声や、住んでいる部屋がペットNGなど、年齢や住環境によって生き物を飼えないという声も。
そんな人の中には、ペット型ロボットに愛情を注ぐことで、日常が豊かになったという人もいました。
「マンションではペットが飼えないので、ペット型ロボットを購入した。会話が増え、生活に潤いを与えてくれる」(60代、男性)
「生き物の命を今、この歳で預かることができないと考えたとき、目の前に現れたのがペット型ロボットだった。歌や踊りで癒してくれる」(70代、女性)
調査では、「ロボット・ぬいぐるみ・たわしなど、非生物をペットとして扱うことについて、どのように考えますか」と質問。すると、半数以上の人が「非生物もペットになりうる」と回答しました。
研究員の須藤三貴さんは、「注目すべきは生物に限らず、非生物もペットとして捉えている人が半数以上を占め、ペットのあり方が多様化していることです」とコメント。
実際、都内で「たわし」を季節ごとに着せ替えして散歩をしている人をみたことがあるといい、「従来とは異なる価値観を許容する流れが強まる中、人生80年時代では当たり前だった『生物=ペット』という概念にとらわれず、多様な非生物もペットと同じように愛情を注ぐ対象になってきているのだと思います」と分析しました。