農林水産省が、感染すると家畜に甚大な被害をもたらすアフリカ豚熱(ASF)への警戒を強めている。
坂本哲志農相は2月2日の記者会見で、各都道府県に注意喚起のための通知を出したと説明。「アフリカ豚熱の侵入リスクが、かつてないほど高まっている」と危機感を示した。
また、「旅行者は、アフリカ豚熱のウイルスを国内に持ち込むことのないよう、肉類の持ち込みを厳に慎んでいただくこと、ウイルスが靴などに付着して持ち込むことがないよう、細心の注意を図っていただくようお願い申し上げる」と述べた。
農水省によると、アフリカ豚熱はウイルスが豚やイノシシに感染する致死率の高い伝染病。
2月2日の時点で、日本では未発生だが、近年は東南アジアで感染が広がっており、韓国・釜山では2月に入って急激に感染が拡大しているとの情報があるという。
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有効なワクチンや治療法はなく、 発生した場合の畜産業界への影響が大きいことから、「家畜伝染病」に指定され、患畜・疑似患畜の速やかな届け出と殺処分が義務付けられている。
豚やイノシシの病気で、人に感染することはないという。