この時季に重宝するセーターは、家庭で洗うのが難しい衣類ですが、洗剤を選んだり洗濯機の適切なコースを選んだり、脱水時間に気を付けたりすればうまく洗うことは不可能ではありません。干し方にも気を配れば、すべてをクリーニング店に出さなくともきれいに仕上げることができます。
ただし、そこまでで安心するのは禁物です。セーターは上手なたたみ方をしないと取れにくいシワが付いたり、かさばって収納・保管しにくかったりというやっかいな特性をもっています。
お気に入りのセーターをきれいなままで長く着続けるためのたたみ方のコツとはどのようなものか、NPO法人クリーニング・カスタマーズサポート(福島県須賀川市)の鈴木和幸代表に伺いました。
シワが付きにくいたたみ方とは?
セーターには厚手のものや薄手のものなど、さまざまなタイプがありますが、まずは厚手のセーターをたたむ時のコツから教えてもらいました。
「胸元にシワが付いたり折りたたみシワを防いだりするための手順です。床にセーターを広げられるだけの十分なスペースを確保したら、次の手順でたたんでください」(鈴木代表)
(1)セーターの背中側を上にして床に置き、片方の肩の部分を折る
(2)身幅に沿わせて袖を折り戻す
(3)反対側も同じように折っていく
(4)上下全体を半分に折り返せば完成
「この状態で保管すれば、おおむねシワは付きにくくなります」(鈴木代表)
薄手のセーターはタオルを挟む
薄手のセーターは、どうでしょうか。
「基本的には厚手のものと手順は同じですが、厚手のセーターに比べて折りジワがつきやすいので、注意が必要です。
上下半分に折る際、間にタオルを挟むとシワができにくくなります。タオルは色落ちしないものを選んでください。また、万が一色移りしても目立たないように同系色のタオルを選ぶようにしましょう」(鈴木代表)
極厚のセーターはゆったりとたたむ
「ローゲージニットなどのざっくりと編まれた極厚のセーターは、たたんだときにデコボコになってかさばりがちなので、できるだけ平らになるようにたたむと、収納もしやすくなります」(鈴木代表)
(1)セーターの背中側を上にして床に置く
(2)両袖を付け根から折り込んで、中心をめどにして上方向に切り替えす
(3)袖丈が長ければ、余った袖口を空いたスペースにたたむ
(4)上下全体を半分に折り返せば完成
保管時の4つのポイント
上手にたためた後、収納・保管の際に気を付けることはありますか。
「ポイントは、詰めない、重ねない、湿気を溜めない、虫食いを防止する、の4点です。薄手のセーターでもなるべく重ねず、どうしても重ねて保管する際には、弾力性がある化繊のものを下に、比較的湿気に強い天然素材は上にしてください。
とくにウールなど天然素材のセーターは、虫に食われやすいので、収納場所には防虫剤を忘れずに入れてください。また、天然素材のものは圧縮すると弾力が失われやすいので、圧縮袋に入れないほうがベターです。
ニットなどの化学繊維でしっかり編み込まれた厚手のセーターでしたら、圧縮袋に入れても問題はありません」(鈴木代表)
せっかくきれいに洗濯したセーターでも、たたみ方と収納の仕方を誤ってしまうと台無しです。お気に入りのセーターをきれいに着続けるためにも、保管に至るまで正しい方法を身に付けましょう。
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