正社員の平均初年度年収は456.6万円。未経験者求人は426.8万円、経験者求人は518.3万円だった。
2022年平均に比べ、全体では2.4万円増、未経験者求人は3.1万円増、経験者求人は4.1万円増となった。コロナ禍前の2019年から正社員求人における初年度年収は増加傾向にあるという。
求人件数は2019年平均を基準として147.4%、2022年平均と比較して15.4ポイント増加した。マイナビ転職は、企業の中途採用意欲が高まっており、今後も転職市場は活発に動いていくと予想しているという。
また募集比率は、未経験者求人が67.4%、経験者求人が32.6%だった。2022年平均と比べると、未経験者求人の比率が微増しているという。
正社員の平均初年度年収が高かった業種ランキングは、1位が「IT・通信・インターネット」で518.4万円(前年差+4.6万円)。2位は「金融・保険」で516.1万円(前年差+14.4万円)、3位が「コンサルティング」で501.5万円(前年差+8.1万円)だった。
未経験者求人でも、1位は「IT・通信・インターネット」で473.1万円(前年差+6.6万円)。2位が「不動産・建設・設備」で466.3万円(前年差+6.6万円)、3位が「コンサルティング」で464.6万円(前年差+5.4万円)となった。
マイナビキャリアリサーチラボの研究員、朝比奈あかりさんは、2023年は前年と比較し、企業は積極的に中途採用を行ったと分析。「総務省の労働力調査によると転職希望者は2023年7-9月平均で初めて1千万人を上回り、実質賃金が2023年11月まで20カ月連続でマイナスとなっているなか、賃金待遇の改善のために転職を考える人は今後も増加するのではないかと考えられます」とコメント。求人件数も、2023年はコロナ禍前の2019年に比べて約1.5倍になったという。
朝比奈さんは「転職をすることが身近になり、働く人は自身の希望に合わせて能動的に職場を選択できるようになりつつあります」と指摘。人材の流動性が高まっていることに加え、少子高齢化により生産年齢人口が減少しているといい、「今後企業の人手不足感はさらに高まると考えられます。そのため企業は、賃上げをはじめとした各種待遇の改善に注力し、人材獲得や定着に今後より一層取り組んでいくと予想されます」としている。