プロの歌手になるためのハードルは高い。たとえアデルのような歌声を持っていたとしても、ステージで歌詞を忘れてしまうことを考えると足がすくんでしまう。
もちろん歌手も人間だから、自分の歌の歌詞を忘れることだってあるだろう。大勢の観客の前で頭が真っ白になった時は、どう対応しているのだろうか。
プロンプターを使う人もいる
ケシャさんやグウェン・ステファニーさんなどのミュージシャンらと仕事をしてきたアーティストのMickさん(仮名)は、多くのアーティストが、ニュースキャスターが使うようなプロンプター(セリフや歌詞を表示する装置)を使っているとコスモポリタンに明かしている。
「持ち歌が50曲も60曲もあり、毎晩同じ曲を歌っているのでなければ、『この曲は5年ぶり!』なんてこともあるわけです」
「多くのアーティストが完全にテレプロンプターに頼っているわけではないと思いますけれど、万が一のために準備されています」
観客に助けてもらう
困った時は一人じゃない。観客の助けを得て乗り切るというミュージシャンもいる。
オーストラリアのバンド「ディーズナッツ」のボーカル、JJ・ピータースさんは「何かの理由でちょっと記憶が飛んでしまうような時には、観客にマイクを差し出すと誰かが歌ってくれます。そうすれば『あ、そうだった!』と思い出すんです」とオルタナティヴ・プレスに語っている。
他にも、一緒に歌う観客の口の動きで歌詞を思い出す人や、忘れた時にはクラウドサーフ(観客の頭上を支えられて泳ぐように移動すること)をするというアーティストもいるという。
臨機応変に対応
アメリカのロックバンド「パレイ・ロイヤル」ボーカルのレミントン・リースさんは、歌詞を入れ替えたり、まったく別の言葉を作ったりしているという。
「完全に忘れてしまうような日もあり、そんな時はとても目立つので、歌詞を入れ替えるんです。でまかせやでたらめの言葉を作り出したり、メロディーをつぶやくときもあります」とオルタナティヴ・プレスで明かしている。
笑い飛ばすという選択肢もある。
アメリカのパンクバンド「ザ・ブロンクス」のボーカル、マット・コートランさんは「笑って、なんとか歌詞を思い出そうと最善を尽くします。でも、それは自分にとって歌詞にあまり意味がないからではありません(中略)ただ頭からすっぽり抜けてしまうことがあるんです」と話している。
歌だけではなくて、「上手にごまかす」才能も、プロに任せた方が良さそうですね。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。