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Netflixの大人気シリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン5の撮影が始まったと1月9日に発表された。そんな中「私たちは見ない」とボイコットを呼びかける声が世界で広がっている。
作品に逆風が吹く事態に発展した原因は、シーズン5で「再び主役の座に付く」とされるウィルを演じる俳優のノア・シュナップの心無い行動だ。
「シオニズムはセクシーだ」友人と楽しそうに笑うシュナップ
NBCNEWSによると、2023年11月に、レストランと思われる場所でシュナップが友人らとはしゃいでいる動画がSNSに投稿された。現在、元の動画は見られなくなっているが、芸能ニュースを扱うPopCraveの公式Xに同じ動画が再投稿されている。
動画には「シオニズムはセクシーだ」「ハマスはISISだ」と書かれたステッカーを持った友人たちを笑って見ているシュナップの姿がある。シュナップはは携帯電話を手にし、笑顔で友人らを撮影していた。
シオニズムはパレスチナにユダヤ人国家を建設する思想や運動のことで、イスラエル建国につながっている。
動画をきっかけに『ストレンジャー・シングス』のボイコットを呼びかける声が広がり、シーズン5の撮影が始まったことを発表した公式やシュナップの投稿には批判の声が上がっている。
投稿には「なぜノアはまだここにいるの」「あのシオニストをクビにして」「あなたがそこにいなければいいのに」「彼の最後の演技になるべきだ」「私たちは見ない」などのコメントで溢れている。
今回は、イスラエルを支持しているととられかねないシュナップの行動に批判が殺到している。ハリウッドでは、俳優やセレブがイスラエル・ハマス紛争についてパレスチナを支持する意見を表明すると、批判を浴び、出演がキャンセルになるということが度々起きている。俳優らは自身の考えを述べずに沈黙するほか、イスラエルを支持する姿勢を見せる人もいる。
「私の考えや信念が誤解されている」
批判に対して沈黙を貫いてきたシュナップだったが、1月16日にTikTokで自身の思いを動画で訴えた。そこでシュナップは「誤解されている」と語り、願いを言葉にした。
「私の考えや信念、信じていることからかけ離れて解釈されているように感じています。心から自分の気持ちを述べたかったのです」と主張し「私はこの紛争で影響を受けている全ての罪のない人々のため、平和と安全、安心を望んでいるだけです」と述べた。
パレスチナにルーツを持つ友人たちと何度もオープンに議論を重ねてきたことも伝え、多くのことを学んだと話したシュナップ。話し合いを通して「みんな同じものを望んでいるということ」がわかったとし、以下のように伝えている。
「私たちはみんな、ガザで人質になっている罪のない人たちが家族のもとに帰ることを望んでいるし、同様にパレスチナで罪のない人々の命が奪われることは終わってほしいと望んでいます。その多くが女性や子どもで、見るのも恐ろしい。人間性のかけらでもある人ならば、双方の敵対関係が終結することを望むと思います。私は無実の人々の殺害に反対し、皆さんにも同じように思っていてほしいです」
「2024年はオンラインで人々がもう少し理解や思いやりを持って、人種、民族、バックグラウンド、生まれた国、セクシュアリティーも関係なく、私たちはみんな人間で同じだということを認識し合えるように願っています」
2023年10月7日以降、ガザでは2万5000人を超すパレスチナの人々がイスラエル軍の攻撃により命を落としたとされる。朝日新聞によると、1月24日にはガザの南部に位置するハンユニスで、避難場所として使用されていた国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の施設が攻撃を受けた。12人が死亡、75人が負傷したと伝えられている。