私たちが日々使っている外来語やカタカナ語。すっかり定着した言葉もあれば、実はよく分からずに使っているという単語もあるでしょう。
外来語を他の言葉で言い換えたいときは、国立国語研究所の「外来語言い換え提案」が参考になります。
「外来語言い換え提案」は、公共の場などで使われる少し分かりにくい外来語について、言葉遣いを工夫して分かりやすい言い換えを提案するもの。国立国語研究所の外来語委員会が2003〜2006年、計4回発表し、一覧にまとめました。
20年前の提案なので、一覧の中には、現在は定着している外来語もあるかもしれません。
「ケア」。この言葉の意味や、「日本語」で言い換えたら何というか知っていますか?
それでは見ていきましょう。
♢言い換え語
手当て 介護
♢用例
・悩みや不満を表現できない子どもに対し、ケアが必要だと考えている。
・家庭でケアできない障害児の医療には、保険は認められない。
♢意味説明
放っておくことができないものへの手当て
♢
手引きには、ケアという言葉はかなり定着が進んでいると記されており、そのまま使って大きな問題はないとしている。ただし、高齢者や不特定多数の人に使う場合は特に言い換えや説明付与が必要になるとしている。
「ケア」の言い換え語には、最も基本的な意味を表すものとして「手当て」が有効であるが、文脈によって柔軟に変える必要がある。「介護」や「看護」、身だしなみなどに使うときは「手入れ」などが考えられる。
「ケア」は便利な言葉ではあるが、意味が広がりすぎることから正確に伝える場合は、特に注意が必要である。
♢複合語例
・デイケア = 日帰り療養 通所リハビリ
・メンタルヘルスケア = 心の健康づくり