仕事選びの際に気になるポイントの一つが「残業時間」。どんな職種が残業しがちなのでしょうか?
人材サービスのパーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は2023年8〜9月、正社員として働く20~59歳の1万5000人を対象に、職種別の残業時間を調べました。調査はインターネット上で行い、2024年1月15日に結果を発表しています。
職種別で残業時間にどのような違いがあったのでしょうか。結果をみていきましょう。
残業時間が少ない職種トップ10
残業時間が少ない職種トップ10は以下のとおり(括弧内はひと月の平均残業時間)。
10位 薬事(14.0)
9位 販売 / 接客 / 売り場担当(13.9)
8位 総務(13.8)
7位 学術 / メディカルサイエンスリエゾン(13.5)
5位 経理事務 / 財務事務(13.3)
5位 営業事務(13.3)
4位 美容関連職(理美容 / エステ / マッサージ)(13.0)
3位 医療事務(12.0)
2位 秘書 / 受付(11.4)
1位 一般事務(10.6)
2022年の調査で8位だった「一般事務」の平均残業時間が、前回から2.7時間減って10.6時間となり、1位にランクイン。一方、前回1位だった「秘書 / 受付」は前回調査時の平均残業時間から1.4時間増え、2位となりました。
残業時間が多い職種トップ10
これに対し、残業しがちなのはどんな職種なのでしょうか。
9位 医療機器メーカーの営業(29.3)
9位 小売 / 外食の営業(29.3)
8位 不動産専門職(29.4)
5位 施工管理(30.0)
5位 人材サービスの営業(30.0)
5位 店長(30.0)
4位 ITコンサルタント(アプリ)(30.2)
3位 建築設計 / デザイン / 積算 / 測量(31.1)
2位 設計管理 / コンストラクションマネジメント(39.1)
1位 プロデューサー / ディレクター / プランナー(出版 / 広告 / Web / 映像関連)(42.2)
1位は前回と同じく「プロデューサー / ディレクター / プランナー(出版 / 広告 / Web / 映像関連)」でした。前回調査時の平均残業時間から5.1時間増え、唯一40時間を超えた職種となっています。
コロナ自粛が明けてオフラインのイベントが増加したことや、紙媒体・告知用広告のニーズが回復したことなどが影響したとみられると、dodaは分析しています。
一方、5位にランクインした「店長」は、前回調査時の平均残業時間から11時間以上も増える結果に。
コロナ禍で停滞していた小売店や飲食店への来店者数が回復したものの、スタッフの採用が間に合わず、深刻な人材不足が生じているという課題が背景にあると考えられるといいます。
dodaの加々美祐介編集長は「コロナの経済活動に与える影響が少しずつ弱まっていく中、オフライン需要やインバウンド消費の回復、人材不足などの問題を受け、より効率的な業務体制を模索する企業の動きが活発化しています」と解説しています。