日本が「ビザなしで渡航できる国や地域のランキング」で1位に返り咲いた。
イギリスのコンサルティング会社「ヘンリー・アンド・パートナーズ」は19年前から、国際航空運送協会(IATA)のデータをもとに、ビザなしで渡航できる国や地域のランキングをまとめている。
2024年版のランキングでは、日本を含む6カ国が同数で1位にランクイン。日本は過去5年続けて首位だったが、2023年夏の調査で3位となり、同年の1位に輝いたのはシンガポールだった。
パスポートの強さは、移動の自由を担保することに加え、国際投資やビジネスチャンスといった点で経済的自由を与えることにもなるため注目される。
最新のランキング結果をみていこう(括弧内は、ビザなしで渡航できる国や地域の数)。
ビザなしで渡航できる国や地域のランキング2024
5位. ギリシャ、マルタ、スイス(190)
4位. ベルギー、ルクセンブルク、ノルウェー、ポルトガル、イギリス(191)
3位. オーストリア、デンマーク、アイルランド、オランダ(192)
2位. フィンランド、韓国、スウェーデン(193)
1位. フランス、ドイツ、イタリア、日本、シンガポール、スペイン(194)
ヘンリー・アンド・パートナーズの発表によると、6カ国が首位の座を分け合う結果となったのは初めて。過去に首位争いをしてきた日本とシンガポールに加え、フランス、ドイツ、イタリア、スペインという4つのEU加盟国が1位にランクインした。
大きく順位を伸ばした国としてはアラブ首長国連邦が挙げられ、2014年以降、ビザなしで行ける渡航先を106も増やし、55位から11位へと順位を44も上げた。
ウクライナと中国も、過去10年間で最も順位が上昇した上位5カ国に入っている。
全体として自由な渡航に向かうも、格差広がる
会長のクリスチャン・H・カエリン博士によると、旅行者がビザなしでアクセスできる目的地の平均数は、2006年の58カ所から2024年には111カ所へとほぼ倍増しており、全体的にはより自由な渡航に向かっているという。
他方で、インデックスの上位と下位の人々の間の世界的な移動の格差は、現在かつてないほど広がっている。最新のランキングで最上位の国々は、最下位のアフガニスタンと比較すると、166も多くの国や地域にビザなしで行くことができるという結果となっている。
ちなみに、首位の日本でも、北朝鮮や中国・キューバなど32の国や地域はビザなしでの渡航はできないと報告されている(一覧はこちら)。