6434人が犠牲になった阪神・淡路大震災から、1月17日で29年が経った。
帝産観光バスのツアーバスは1995年のその日、兵庫県西宮市の阪神高速道路を走行中に被災。震度7の揺れで目の前の道路が倒壊したが、車体はギリギリの位置で踏みとどまり、転落を免れた。
帝産観光バスは2022年の1月12日、震災当時の写真をTwitter(現X)やFacebookに投稿していた。
帝産観光バスは現在、公式Xのトップページのイラストで「能登半島地震により被害に遭われた皆さまへ 心よりお見舞いを申し上げます」と被災者に寄り添うメッセージも掲載している。
前方に続いていたはずの道路が無くなり、橋桁からせり出したバスは、前輪が宙に浮いて傾いている。
投稿は「もうすぐ阪神淡路大震災から27年が経とうとしています。写真は、当時スキーツアーからの帰路だった阪神高速道路上を走行中に被災し、間一髪で転落を免れた“落ちないバス”です」と説明。このバスに乗車していた運転士の安井義政さんが取材を受けた番組について紹介していた。
この投稿に対して反響が広がり、「この映像を見る度、 当時の衝撃がよみがえって身震いがします」などと当時を思い返す声が多数寄せられていた。
帝産観光バスは2022年1月、ハフポスト日本版にコメントを寄せていた。
投稿した経緯について「今回のツイートはTwitterだけではなくFacebookやインスタグラムなど弊社SNSにおいて幅広い方に見て頂くために掲載した」と説明。
反響や多数のメッセージが寄せられたことに対して「結果的には多くの方にご覧いただきたくさんの反響を得られたことはありがたく感じております。また今でもこのバスの写真があることで多くの方に震災について知っていただいていることを実感するきっかけになりました」と感謝した。
帝産観光バスでは、このバスの運転士だった安井義政さんらがメディア取材や修学旅行の場、「広がるオンライン修学旅行」などを通じて体験を語り継いでいる。
帝産観光バスは、そうした取り組みについて「たくさんの方の支えをいただいて震災の大きな被害から再生し、今があるという事に感謝し震災のことを伝えていかなければならないと考えています」とハフポスト日本版にコメント。
「震災以降、東日本大震災をはじめとした各地で災害が発生した際にはボランティア活動などを通じて、今、自分たちに出来ることは何かを考え積極的に取り組んでいます」と説明していた。
今後の決意として「この写真や安井運転士の体験を通じて震災の体験・記憶を風化させないために、語り継いでいくことが使命であると受け止め、今後も様々な方法を通じて新しい世代に伝えていきたい」と語っていた。