銀行からおろしてきたばかりの現金4000ドル(約60万円)を愛犬に食べられてしまったーー。どうにかしてその大部分を取り戻そうと格闘する飼い主の動画が、話題になっている。
地元メディアのピッツバーグ・シティー・ペーパーやUSAトゥデイなどが相次いで取り上げている。
お札を食べて飼い主を驚かせたのは、アメリカ・ペンシルベニア州に住む7歳のゴールデンドゥードルの「セシル」。ワシントン・ポストによると、事件が起きたのは2023年12月8日の昼下がりのことだった。
飼い主のロー夫妻が、自宅のフェンス工事の支払いをするために銀行から4000ドルを引き出した。100ドルと50ドルの札束が入った封筒を閉じ、帰宅後にキッチンカウンターに置いた。
しばらくして、小さく噛みちぎられたお札が床に散らばっていることに気づいた夫妻はパニックに陥ったという。
口にお札の切れ端らしきものをくわえているセシルの姿が写真に収められている。
夫は「セシルはテーブルの上に置いている食べ物にも関心を示しません。だから本当に驚き、ショックを受けました」とUSAトゥデイの取材に答えている。
異変に気づいた時には、すでに現金の半分が噛みちぎられた状態で、残り半分はすでにセシルが食べてしまっていた後だった。
2人はすぐに獣医に相談した。セシルは体重45キロほどと大型であることから、それだけの量のお札を食べてしまっても健康に問題がないとわかった。
安心した夫妻は、食べられてしまったお金を取り戻すべく動き出した。
銀行に問い合わせると、紙幣に印刷されているシリアルナンバーが判別できるようにテープで貼り合わせることができれば、銀行が新しいお札と交換してくれるという。
セシルが食べてしまったお札のうち、数百ドル分は簡単に取り戻すことができた。事件当日の夜、セシルが細切れになったお札を吐き出してくれたのだ。
困難はここからだった。翌日から2日間、夫はゴム手袋をはめ、ビニール袋を持って裏庭を探索するセシルの後をついて回った。セシルのうんちを拾い集め、妻と一緒に流し台でお金の切れ端を洗うという作業を繰り返した。
「残りのお金を全部集めたいものだから、私たちはセシルがもよおすのを待っていたんです」と2人はワシントン・ポストの取材に語っている。
2人がInstagramに投稿した格闘の記録動画は、1200万回以上も再生されている。
継ぎ合わせた紙幣が新しいお札と交換してもらえるかは、銀行に持って行って確かめるという。