プロレーサーの野田樹潤(Juju)さんが、日本最高峰のフォーミュラレースシリーズ「スーパーフォーミュラ」に今季参戦することが決まった。マネジメント事務所などが1月9日に発表した。
所属は「TGM Grand Prix」。
「スーパーフォーミュラ」に日本人の女性レーサーが参戦するのは、前身の「全日本F2000選手権」が1973年にスタートして以来、史上初めて。
過去に参戦した女性レーサーはいずれも外国籍だった。
Jujuさんは3月の「スーパーフォーミュラ」開幕時は18歳。過去最年少でのデビューとなる。
発表によると、Jujuさんは2023年12月6日〜8日、鈴鹿サーキットで開かれた合同テストに参加。3日間を通して、コースアウトやクラッシュなどのアクシデントもなかった。
マネジメント事務所は、テストについて「1周5.8kmのコースを延べ11時間あまり192周を走りました。今回の参加者のトップタイムを基準にすると、スーパーフォーミュラ決勝レースに出場できるレベルである1分38秒529のベストタイムを記録しました」と説明している。
Jujuさんは、元F1レーサーの父の元、幼少期からカートレースの経験を積んだ。10歳で、F1をトップとするフォーミュラカーの入門カテゴリーである「フォーミュラ4(F4)」でデビューした。
小学生でのF4デビューは、世界でも例がないことだった。
2020年にヨーロッパに渡った。参戦したデンマークのF4カテゴリーでは、デビュー戦で優勝を飾った。
その後もF3のレースに出場し、2023年には「Euro Formula Open Championship」で女性レーサーとして初優勝の快挙を達成。「ZINOX F2000 TROPHY」でも、女性レーサーとしての史上初の年間チャンピオンに輝いた。
ヨーロッパで実績を重ね、今季の「スーパーフォーミュラ」に参戦する。
Jujuさんはコメントで「女性にはトップカテゴリーで活躍するのは無理という意見もありますが、それは実力だけの問題ではなく、レギュレーション自体にも問題があると考えます」と提起する。
「この参戦が女性にとっても、よりイコールとなるようなルールの見直しであったり、色々なネガティブなステレオタイプの払拭につながればと願います」と期待した上で、次のように決意をつづった。
「男女平等参画社会やジェンダー問題といった事が現社会で注目されるような時代に沿ったスーパーフォーミュラになれば、国内自動車レースの更なる発展にもつながると考えておりますし、今後の女性レーシングドライバーの良きロールモデルに繋がるように全力で走ります」
目標はF1「誰も到達したことがない世界を見てみたい」
Jujuさんは2019年、ハフポストのインタビューで、フォーミュラーカーのトップカテゴリーF1という目標について語っている。
「やっぱり大きいレースに勝てたときは、小さいレースに勝てたときよりも何倍も嬉しい。だからやっぱりF1で勝って、その嬉しさを味わいたい」
これまでに女性レーサーでF1の舞台に立った日本人はいない。世界でも数えるほどで、グランプリを制覇した女性レーサーは存在しない。
「日本人で誰も到達したことがない世界を見てみたい」
13歳だった当時から、世界最高峰の舞台を見据えていた。