世界保健機関(WHO)は12月30日、イスラエル軍による大規模な攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区で衛生環境が悪化し、18万人が感染症に苦しんでいると報告した。
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WHOのテドロス・アダノム事務局長は12月30日、自身のXで「ガザ南部全域で人々が大規模な避難を続ける中、何度も移動を余儀なくされる家族もおり、多くの人が過密な医療施設へと避難している」などと投稿し、感染症の脅威が高まっていることへの強い懸念を示した。
投稿では、ガザで10月中旬から12月中旬にかけて、避難所で過ごす多くの人が病気にかかり続けていると報告。18万人が呼吸器系の感染症に苦しんでいると述べた。13万人以上に下痢の症状があり、その半数が5歳未満の子どもだという。この他にも多く確認されている感染症や症状としてシラミ、疥癬(ヒゼンダニがうつることでかかる病気)、水疱瘡、とびひなどを挙げた。
WHOと協力団体は、医薬品や検査キットの供給、水や食料などへのアクセス改善などに取り組んでいるとしている。
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「人口の40%が飢餓の危険」
ガザでは感染症に加え、食糧不足も深刻化している。
支援活動に取り組む国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は28日にXで、ガザ地区は「壊滅的な飢餓と闘っている」と投稿。人口の40%が飢餓の危険にさらされていると報告した。
ガザ地区の保健省の発表によると、これまでに少なくとも2万1100人のパレスチナ人が殺害され、そのうち約7割が女性と子どもだった。約5万4000人のパレスチナ人が負傷したという。