今年も年末となりました。旬を迎えたマグロやイクラなど、好きな具材を選んで巻ける手巻き寿司の機会が増えてきます。この時季は、手巻き寿司に欠かせない新海苔も出回り、より香り高い風味や旨味が堪能できます。
家庭で手巻き寿司を作る時、うまく海苔が巻けない、という方も少なくないのでは? すし飯や海苔を準備する際に、知っておくと手巻き寿司が一段と手軽に美しく作れるコツがあるそうです。
詳しい話を和光鮨(千葉県船橋市)の若大将、荒井真也さんに伺いました。
海苔の切り方を工夫して巻きやすく
手巻き寿司で使う海苔は、切り方一つで巻きやすくなるそうです。
「海苔は1枚を1/2か1/4に切ることが多いと思いますが、1/2だと寿司が大きくなりすぎるし、1/4だと今度は海苔が足りなくて巻ききれないということもあります。
そこで次のような手順で切り方を工夫します」(荒井さん)
「1つの手巻き寿司に使用する海苔の面積は1/4と同じですが、この切り方だととても巻きやすい形状になります。パリパリの海苔なら指で折り取れるので、ハサミもいりません。
この大きさだとちょうど一口ぐらいのサイズになるので、とても食べやすく出来上がります」(荒井さん)
すし酢には塩の代わりに昆布茶を
すし飯づくりに欠かせないすし酢を自作すると、味の加減ができるのでおすすめだそうです。
「市販のすし酢を使う方も多いと思いますが、すし酢は自作すると甘さを加減したり、旨みを加えたりの調整ができるのでおすすめです。
すし酢の基本は酢:砂糖:塩が4:2:1と言われていますが、小さいお子さんのいるご家庭では砂糖の量を少し多めにして甘めに仕上げてもよいと思います。
また、昆布茶を入れるとぐっと旨みが増して美味しくなります。その場合には昆布茶にも塩分があるので、酢:砂糖:昆布茶:塩を4:2:1:0.5とします。
すし酢は、すし飯の10%程度、米2合なら酢は大さじ3を基本にしますが、すし酢は余っても酢のものに使えるので、一度に多めに作って保存しておいてもよいでしょう」(荒井さん)
すし飯は少しずつ作るとベタベタしない
ご飯と寿司酢を混ぜる際には、一度にやろうとしないのがコツだそうです。
すし酢をよく混ぜ、しゃもじに伝わせてごはん全体にまわしかけます。うちわであおぎながら、しゃもじで大きくご飯を切るように動かして混ぜます。全体が混ざったら、しゃもじを細かく動かしてダマをなくします。ごはんひと粒ずつにつやが出ればOKです。
「まず、ご飯はいつもより多少固めに炊き上げ、炊きたてをすぐすし飯にするのがコツです。
パーティなどでたくさんのすし飯を作る場合、ご飯が広げられるほど大きな飯台があればいいですが、器が小さいためご飯が山盛りになってよく混ぜられないと、すし酢がかたよってしまい、ご飯がベタベタになるのでNGです。
大きな飯台やボウルがない場合は、ご飯を何回かに分けてすし酢と混ぜてください」(荒井さん)
人が集まる機会が増える年末年始。手巻き寿司をワンランクアップさせてみませんか。
取材協力
和光鮨(https://www.wakosushi.com)
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